東京都の重 要 文 化 財
Important Cultural Property of 東京都東京都に所在する重要文化財。
東京国立博物館・法隆寺宝物館に伝わる重要文化財「小幡残闕〈蜀江錦〉」。飛鳥時代に法隆寺の堂内を荘厳した小さな幡の残片で、世界に現存する最古級の絹織物の一つです。鮮やかな赤地に連珠円文と獅子・鳳凰・天馬・雄鹿を織り出した経錦は、唐代の蜀(現在の四川省)から日本へ伝わったとされ、シルクロードを介した東西文化交流の生きた証となっています。
国立公文書館が所蔵する重要文化財「尋憲記」は、興福寺大乗院門跡・尋憲が永禄5年から天正5年までの15年間を綴った自筆日記全12冊。松永久秀との交渉や郷民との紛争など、織豊期大和国の生々しい実態を伝える第一級史料の魅力と見どころをご紹介します。
東京・目白台の永青文庫が所蔵する重要文化財「清拙正澄墨蹟〈与鉗大治蔵主法語〉」。鎌倉末期に中国元から渡来し日本臨済禅の確立に貢献した大鑑禅師・清拙正澄が、弟子の鉗大冶蔵主に与えた法語(説法)の自筆墨蹟です。来歴・見どころ・基本情報を詳しくご紹介します。
東京国立博物館に伝わる重要文化財「石室善玖墨蹟〈大梅山清凉塔院/掛御書額仏事語〉」は、貞治2年(1363)、当時七十歳の禅僧・石室善玖が、京都・長福寺の塔頭・清凉塔院に後光厳天皇から下賜された勅額を掲げる法要の場で読み上げた法語そのものを書き留めた一幅です。亡き法兄・月林道皎の十三回忌に重なるこの儀礼の場で生まれた本作は、書風の威厳と歴史的背景の深さから、石室の代表的な大墨蹟として高く評価されています。
双羊尊(そうようそん)は、紀元前13〜11世紀の中国・殷時代に鋳造された青銅製の盛酒器で、日本の重要文化財に指定されています。背中合わせに合体した二匹の羊が円筒形の器を背に載せた独特の姿を持ち、同じ形のものはロンドンの大英博物館にもう一点あるのみ。世界に二つしかない至宝が、東京・南青山の根津美術館で公開されています。
東京都あきる野市の前田耕地遺跡から出土した縄文時代草創期の石器2,616点は国の重要文化財に指定されています。約15,500年前の石槍製作拠点であり、日本最古の河川漁撈活動を示すサケの骨も発見された貴重な遺跡です。出土品は東京都埋蔵文化財センター(多摩市)と国立歴史民俗博物館(佐倉市)で見学できます。
1914年(大正3年)、鉄道院新橋工場で製造された木造電車ナデ6141号は、現存する日本最古のボギー電車であり、片側3扉と総括制御方式を採用した今日の通勤電車の原型ともいえる存在です。2017年に国の重要文化財に指定され、さいたま市の鉄道博物館で大切に保存・展示されています。
東京国立博物館の法隆寺枡は、室町時代に同寺で使われた六口の計量器である。同じ一升でありながら容積はおよそ一・四七リットルから一・八七リットルまで異なり、全国基準が定まる前の中世の度量衡を実物で示す重要文化財として貴重だ。
国立公文書館が所蔵する重要文化財。漂流してロシアに渡った大黒屋光太夫の見聞を蘭学者桂川甫周が編んだ書で、衣服や器物を描いた図、銅版図を手写した地図を含む。全体がデジタルアーカイブで無料公開されている。
前田育徳会が所蔵する重要文化財。嘉暦元年の奥書をもつ法華経巻第八の残巻で、後醍醐天皇の側近「後の三房」の一人で能書の公卿、万里小路宣房が写した。書としても、歴史を動かした人物の遺品としても重んじられる一巻である。
五島美術館が伝える久能寺経の二巻。法華経を三十人が一巻ずつ書写した結縁一品経で、永治元年頃、鳥羽法皇と待賢門院周辺の制作と伝わる。金銀を全面に散らし蓮池を描く、現存最古級の装飾法華経。昭和27年指定の重要文化財。
東京国立博物館が蔵する久能寺経の三巻。平安時代に待賢門院を中心とする貴族が結縁した装飾経で、無量義経・法師品・安楽行品を金銀の切箔や砂子で飾る。鉄舟寺の十九巻は国宝だが、この三巻は重要文化財として一二世紀の写経の華を今に残す。
東京国立博物館が所蔵する重要文化財『法華経』八巻。黄蘗で染めた黄麻紙に一行十七字で書写され、八巻すべてが一筆で揃う点が珍しい。用明天皇の宸筆と伝わるが、書風からは奈良末から平安初期の作と推定される写経である。
奈良時代、八世紀に肉筆で書写された法華経の巻第五。官営写経所の経師による均質で抑制のきいた筆致を示し、断簡ではなく一巻として完存する点でも貴重とされる。五島美術館の古写経コレクションを代表する重要文化財。
承平十五年(四五七)、高昌に拠った北涼の王・沮渠安周が供養した「仏説菩薩経」巻第一の残巻。隷書から楷書へ移る六朝写経の書風を年記とともに伝え、洋画家・中村不折が蒐集した書道博物館所蔵の重要文化財。
班竹の簾を背に幼子を抱き上げる若い母親を描いた、上村松園の重要文化財。母・仲子を亡くした昭和9年に第15回帝展へ出品した一面で、お歯黒に剃り眉の婦人には、明治京都の風俗と亡き母への追慕が重ねられている。
享保15年に仏門へ入り東雨と号した土屋安親が、晩年に銘した鐔。素銅地の左に干網、右に群千鳥を透彫で抜き、自ら創始したと伝わる金の摺付象嵌で景を引き締める。昭和28年指定の重要文化財で、現在は東京の個人蔵。
永青文庫が伝える細川家文書。平成25年指定の二百六十六通は信長文書約58通や本能寺の変後の明智・秀吉文書を含む。令和7年に九千三百四十六通が追加され、計九千六百十二通の重要文化財となった。肥後熊本藩主細川家伝来の一級史料群。
横65センチの蓋面いっぱいに牡丹唐草文をめぐらせた朝鮮・李朝の螺鈿箱。黒漆地に厚貝を用い、花葉は割貝、茎は截貝で表す李朝螺鈿の典型で、大内氏の対鮮交易にかかわり日本へ伝わった。東京国立博物館が所蔵する重要文化財。
総長59.8センチの合口拵。牡丹と獅子を彫った七所そろいの金物は伝後藤祐乗作で、慶安二年(1649)に加賀藩主前田利常が本阿弥光甫へ命じて一具に仕立てた。揃いの完備した遺例が少なく、出来も優れた重要文化財。