東京都の国 宝
National Treasures of 東京都東京都に所在する国宝。
泰定2年(1325)、元の禅匠・古林清茂が64歳で入元僧・別源円旨に与えた餞別の偈。三年の修行を認める文面は印可状に等しい重みを持つ。弘祥寺から織田信長を経て伝来した紙本墨書の国宝で、五島美術館が所蔵する。
唐の太宗が631年に編ませた全50巻の政治書。中国では散佚したが、平安中期に和様の彩箋へ書写された現存最古の13巻が九条家に伝来した。紫や縹の染紙に金泥の界線、典雅な楷書、乎古止点の書き入れが見どころの国宝。
江戸時代に讃岐国(現在の香川県)で見つかったと伝わる弥生時代の絵画銅鐸。表裏六区画にシカ狩りやイノシシ狩り、高床倉、臼をつく人々が線刻され、頭の丸と三角で男女を描き分ける。銅鐸として初めて国宝に指定された名品。
東京国立博物館が所蔵する国宝「碣石調幽蘭第五」は、現存する世界最古の古琴の楽譜です。唐時代に書写された4メートルを超える巻物には、1400年前の音楽が文字譜として刻まれています。
東京の前田育徳会が所蔵する国宝。一行十二字ほどの堂々たる大字で書写された奈良時代の写経で、料紙は遺灰説で知られる荼毘紙です。聖武天皇宸筆と伝わるが実際は写経生の筆とされ、巻子で残る希少な三巻に数えられます。
聖武天皇筆と伝わる奈良時代の写経、賢愚経残巻(大聖武)。東大寺旧蔵の名筆で、巻子のまま残る数少ない国宝の一つ。一行十二字ほどの大字を白い荼毘紙に記し、手鑑の巻頭を飾る名品とされた。東京国立博物館で数年に一度公開される。
天保8年(1837年)、渡辺崋山が古河藩家老で蘭学者の鷹見泉石を描いた肖像画。西洋の陰影法による写実的な顔貌と、東洋画の筆法による装束を一画面で融合させた崋山の代表作で、昭和26年に国宝へ指定された。東京国立博物館蔵。
全十二巻のうち本来の巻第七だけが、藤沢の本体を離れて東京国立博物館に伝わる国宝絵巻。時宗の開祖一遍の遊行を描き、近江の関寺から京都へ、市屋道場の踊念仏が絹本に活写される。正安元年(1299年)、法眼円伊筆。
画面わずか縦24.2cmの小品ながら、南宋画院の花鳥画の頂点を示す国宝。伝・李安忠筆で、枸杞のかたわらを歩む一羽を精緻に描く。足利義教の鑑蔵印を捺し、東山御物に列なる名品。根津美術館蔵、展示は不定期。
奈良・春日社の神々の霊験譚を集めた、全二十巻九十三段の絵巻。延慶二年(一三〇九)ごろ宮廷絵師の高階隆兼が絹本に描き、当初の鮮やかな濃彩が塗り直されることなく完存する。令和三年に国宝指定された、鎌倉やまと絵の頂点。
東京国立博物館の国宝、絹本著色孔雀明王像。平安十二世紀、現存唯一の孔雀明王像で、截金・金箔・金泥を使い分けた華やかな装飾と、柘榴形の吉祥果に込めた安産祈願の図像が見どころ。原本は本館国宝室で期間を限って公開される。
南宋の宮廷画家・李迪が慶元三年(一一九七)に描いた国宝。白く咲いて一日のうちに紅へ染まる酔芙蓉を、繊細な筆と微妙な階調で写実的にとらえた二幅で、もと冊仕立を対幅に改めた小品である。東京国立博物館が所蔵する。
東京国立博物館が所蔵する国宝。日本に現存する虚空蔵菩薩の絵画として最も古く、12世紀の截金や銀泥による繊細な彩色で知られる。海上の蓮華座に坐す姿を、月を表す大きな円光が包む、平安仏画屈指の名品である。
東京国立博物館が所蔵する国宝十六羅漢像は、11世紀平安時代に絹へ描かれた現存最古の羅漢図。滋賀の聖衆来迎寺に伝来し、絹の裏から彩る裏彩色が澄んだ色調を生む。色紙形に羅漢の名と住処を記し、平安貴族の優美な感性をうかがわせる16幅の名品。
東京国立博物館が所蔵する国宝。平安時代12世紀、絹に描かれた千手観音像で、四十二臂の周囲を小さな手が円形に取り巻く。衣や光背を彩る截金が華やかで、実業家・川崎正蔵の旧蔵品として知られる平安仏画の代表作。
伊藤若冲が四十代から五十代にかけて描き継いだ国宝・動植綵絵。鶏や鳳凰、魚や虫を絹本に著した三十幅は花鳥画の到達点とされる。相国寺への寄進を経て現在は皇居三の丸尚蔵館が保管し、2026年秋の再開館を控える。
東京・根津美術館が所蔵する国宝。鎌倉時代に描かれ、那智滝そのものを飛瀧権現の御神体とした唯一の垂迹画。縦160.7センチの大幅で、やまと絵に宋元画の墨と金泥を交え、上部に月輪を配して聖性を示す。公開はまれな名品。
東京国立博物館が所蔵する平安時代12世紀の国宝仏画。六牙の白象に乗る普賢菩薩を描き、条帛や裙に施された截金の精緻な文様、宋風を取り入れた繊細な肉身表現が見どころです。絵画指定番号第一号に置かれた一幅。
団扇形の絹に林檎の一枝を描いた宋代中国の小品で、蕾、ほころびかけ、満開までの花が一本の枝の上に並び、短い花の時間が読み取れる。北宋の趙昌の作と古来伝わるが制作は南宋とされ、昭和31年に国宝指定。東京・荏原 畠山美術館の所蔵。
東京国立博物館が所蔵する国宝の三幅対。南宋の宮廷画家・梁楷の出山釈迦図と雪景山水図に、伝梁楷の雪景山水図を加えた構成で、足利義満の東山御物として伝わった。三幅は2007年に一件の国宝として統合指定されている。