東京都の国 宝
National Treasures of 東京都東京都に所在する国宝。
延長5年、醍醐天皇が円珍没後36年に法印大和尚位と智証大師の諡号を贈った勅書。改竄を防ぐため文字の上に天皇御璽を十三顆捺し、三跡の筆頭・小野道風が三十四歳で揮毫したと伝わる国宝。ユネスコ世界の記憶登録。
東京・御岳山頂の武蔵御嶽神社が受け継ぐ国宝。鎌倉時代の騎馬武者の馬具一式で、鞍・鐙・轡・鞦が揃う。前輪と後輪の外面を金銅で覆い、内面と座面には夜光貝の蛇の目文を敷き詰めた、軍陣馬具として国内唯一の完存例。
東京国立博物館が所蔵する唐時代の写本。初唐の詩人・王勃の文集を没後十年ほどで書写した現存最古の本で、則天文字を含まない点から685〜689年頃の筆とみられる。紙背には平安末期の戒律が残り、流布本に欠けた原文を補う。
東京国立博物館が所蔵する白銅製の大鏡二面。法隆寺資財帳によれば、光明皇后が天平八年(七三六年)、聖徳太子の忌日に法隆寺へ納めたものとされる。鏡背には神仙の住む山海の景が鋳出され、唐時代の作か日本の倣製鏡かをめぐり議論が続く。
東京・文京区の永青文庫が所蔵する国宝、柏木兎螺鈿鞍。黒漆の鞍に貝を切り嵌め、柏の枝にとまる木菟を描いた平安時代の優品です。前輪高は約29.9センチ。意匠・技法ともに卓越し、現存する螺鈿鞍の代表作として昭和29年に国宝へ指定されました。
茎に作者銘を持たない正宗の刀。慶長十四年に磨上げられ、本阿弥光徳が金象嵌で正宗と極めた一刀である。所有者の城和泉守景茂を経て弘前藩津軽家へ伝来した。板目肌に地沸厚く、金筋のかかる刃文に相州伝の妙が宿る、現存する正宗の代表作。
鎌倉時代の備前長船光忠による豪壮な国宝刀。磨上げで無銘となった刀身に本阿弥光徳が金象嵌で極めを記す。讃岐の大名生駒親正の所持名から生駒光忠と号し、細川護立が入手して東京・目白台の永青文庫に伝わる華やかな大丁子の一口。
東京国立博物館が所蔵する国宝の日本刀。正宗の子とも養子とも伝わる相州貞宗の作で、大磨上の後に茎へ刻まれた亀甲花文が号の由来となった。刃長70.9センチ、徳川将軍家に伝来し享保名物帳にも記される名刀の歴史と見どころを紹介する。
日本史上もっとも著名な刀工とされる鎌倉時代末期の相州正宗が鍛えた無銘の刀。大磨上げで刃長64.4センチ。能楽の名門観世家から徳川将軍家、有栖川宮を経て東京国立博物館へ伝来した国宝で、ゆるやかな刃文と沸の美しさ、茎に残る梵字の彫物が見どころ。
国宝「刀〈無銘正宗(名物太郎作正宗)〉」は、鎌倉時代末期の名工・五郎入道正宗の作と認められる一振り。徳川家臣の水野太郎作正重所持に号を発し、徳川将軍家を経て寛永10年(1633年)に加賀前田家へ伝来、現在は前田育徳会が所蔵する。穏やかな湾れの刃文と深い地鉄が魅力で、金沢の石川県立美術館内・前田育徳会尊經閣文庫分館で随時公開される。
銘を欠きながら郷義弘の真作と極められた国宝の刀。富田左近から堀秀政を経て秀吉、前田利長へと伝わった名物で、本阿弥家が値をつけられなかった一振り。前田育徳会が所蔵し、特別展の機会に折々公開される稀代の名刀。
東京国立博物館が所蔵する国宝、片輪車蒔絵螺鈿手箱。鎌倉時代の作で、沃懸地に螺鈿で水に沈む牛車の輪を表す。量感に富む豊かな器形と整然とした文様には、平安の同名の国宝とは異なる時代の嗜好がよくうかがえる一品。
東京国立博物館が所蔵する平安時代十二世紀の国宝。流水に半ば沈んだ牛車の車輪を、金と青金の研出蒔絵に螺鈿を交えて全面に描く。内面には草花や飛鳥を散らし、経箱として造られた可能性も指摘される、希少な蒔絵螺鈿の名品。
延喜五年(905年)十月、大宰府の中心寺院・観世音寺の資産を記録した国宝の資財帳。堂塔・仏像・経典・寺領から住僧の数まで一点ずつ書き留め、早い時期の原本に近い貴重な三巻として東京藝術大学に残る古文書を紹介する。
東京国立博物館が所蔵する国宝。11世紀に書写された草稿の巻物で、889〜893年頃の宮廷歌合「寛平御時后宮歌合」を写す。墨の消し跡や未完の歌が随所に残り、編纂作業の現場が紙面にうかがえる。高野切につらなる格調高い仮名も見どころ。
観普賢経は法華三部経の結経にあたる平安十一世紀の写経で、根津美術館の国宝。濃淡の雁皮紙を交互に継いで金切箔を散らし、金泥界線中に温雅な和様の書を記す。対の無量義経と同筆で、別々に伝来し同館で再会した。
一枚の紙に太く力強い行書が走る国宝「破れ虚堂」。南宋の禅僧・虚堂智愚が80歳前後で日本僧に与えた法語で、武野紹鷗や松平不昧が所持し、寛永14年の惨事で切り裂かれた。茶席で最上格とされた一幅。東京国立博物館蔵。
梁の顧野王が編んだ字書『玉篇』全三十巻のうち巻第九。唐代八世紀の写本で、原本は中国で散逸し日本にのみ伝存する。紙背には治安元年の『金剛界私記』があり、遅くとも一〇二一年までの渡来を示す。早稲田大学蔵、国宝。
東京国立博物館の国宝・竜首水瓶。龍の頭が注ぎ口、細い胴が把手をなし、角を押せば片手で注げる。両眼にガラスを嵌め、胴には天馬を毛彫する。ペルシャの器形と東西の意匠が溶け合った、法隆寺献納宝物の名品です。
建仁元年(一二〇一)、後鳥羽上皇の熊野御幸に随行した藤原定家が日ごとに書きとめた自筆の道中記。輿の揺れや山越えへの不平が漢文で並ぶ国宝で、独特の定家様の筆跡と九か所での歌会の記述が読みどころ。三井記念美術館蔵。