若桜鉄道岩淵川橋梁とは

若桜鉄道岩淵川橋梁(わかさてつどういわぶちがわきょうりょう)は、鳥取県八頭郡八頭町東で八東川の支流・岩淵川の最下流部を渡る鋼製2連桁橋で、明治中期につくられた桁を昭和5年(1930年)に改造して移設したものであり、平成20年(2008年)7月8日に登録有形文化財(建造物)として登録された。

橋長は19メートル。第二八東川橋梁から西へ650メートルの位置にあり、八東駅と丹比駅の間にかかる。川を直角に横切らず、流れに対して斜めに架けた斜橋の形式をとる。

桁は9.8メートルのものが2連。もとは「大阪鉄道式」と呼ばれる40フィートの桁で、それを切断し補強して長さを詰めている。

登録の理由と価値

登録基準は「再現することが容易でないもの」。若桜鉄道の6基の橋梁のうち、細見川橋梁とこの岩淵川橋梁の2基だけがこの基準で登録されている。明治期に製作された桁を別の路線から運び、寸法を合わせて再利用した経緯を部材そのものが示しており、同じものを新たにつくることはできない。

補剛材(スティフナー)の配置も独特である。桁の腹板を補強する縦の部材に、J字形のものと直線形のものがほぼ一つおきに並んでいる。異なる時期の補強が一つの桁に重なった結果と考えられ、文化庁のデータベースも特徴的なつくりとして挙げている。

見どころ ― J字と直線が交互に並ぶ補剛材

若桜鉄道岩淵川橋梁で見たいのは、桁の側面に並ぶ補剛材の形である。下端がJの字のように曲がった補剛材と、まっすぐな補剛材が交互に現れる。明治期の桁に多いJ字形の補剛材と、後から加えた補強の部材が並んでいる様子として眺めると分かりやすい。

斜橋であることも、橋台の向きを見ると分かる。川の流れに合わせて橋台がずれて据えられており、短い橋ながら平面の形は複雑である。

見学方法

若桜鉄道岩淵川橋梁は現役の鉄道橋で、橋上と線路内には立ち入れない。列車では八東駅と丹比駅の間でこの橋を渡るが、19メートルと短いため車窓からはすぐに通り過ぎる。補剛材の形を確かめたいなら、周辺の道路や川べりから外観を見ることになる。

撮影は線路から十分に離れ、私有地や農地に入らないように行う。沿線への行き方と乗車券は若桜鉄道のページにまとめてある。

Q&A

Q若桜鉄道岩淵川橋梁はどんな橋ですか?
A八東川の支流・岩淵川の最下流部に架かる、橋長19メートルの鋼製2連桁橋です。川に対して斜めに架けた斜橋の形式をとります。
Q若桜鉄道岩淵川橋梁の桁はいつのものですか?
A桁は明治中期の製作で、昭和5年(1930年)に改造して移設されました。「大阪鉄道式」の40フィート桁を切断補強して9.8メートルの桁にしています。
Q若桜鉄道岩淵川橋梁の見どころは?
AJ字形の補剛材と直線形の補剛材がほぼ一つおきに並ぶ桁の側面です。異なる時期の部材が一つの桁に同居している様子が見られます。
Q若桜鉄道岩淵川橋梁はなぜ登録されたのですか?
A明治期の桁を転用・改造した経緯を部材が示しており、「再現することが容易でないもの」として平成20年(2008年)に登録有形文化財となりました。
Q若桜鉄道岩淵川橋梁はどこから見られますか?
A橋上と線路内には入れません。八東駅と丹比駅の間を走る列車の車窓か、周辺の道路や川べりから外観を見学します。

基本情報

名称若桜鉄道岩淵川橋梁
所在地鳥取県八頭郡八頭町東
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成20年(2008年)7月8日登録
員数1基
寸法橋長19メートル(鋼製2連桁橋、9.8メートル桁2連、コンクリート造橋台及び橋脚付)
所有者八頭町
公開状況線路内・橋上は立入禁止。列車の車窓と周辺の道路・河原から外観を見学

参考文献

若桜鉄道岩淵川橋梁(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007302
登録有形文化財ご紹介(若桜鉄道株式会社)
https://wakatetsu.co.jp/bunkazai
近代化遺産としての若桜鉄道(八頭町観光協会 やずナビ)
https://yazukanko.jp/feature/wakasarailroad/
若桜鉄道若桜駅本屋及びプラットホーム、転車台ほか計23件(文化庁 日本遺産ポータルサイト)
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/4487/

最終更新日: 2026.09.26