若桜鉄道安部駅本屋とは

若桜鉄道安部駅本屋(わかさてつどうあべえきほんや)は、鳥取県八頭郡八頭町日下部にある昭和7年(1932年)建築の木造平屋建の駅舎で、平成20年(2008年)7月8日に登録有形文化財(建造物)として登録された。

安部駅は、若桜線の全線開業から約2年遅れて昭和7年(1932年)2月に設けられた駅で、八東駅から西へ2.55キロの位置にある。若桜鉄道の案内によれば、駅名は近くの安井宿と日下部の集落から1文字ずつ取ったと伝えられる。

本屋は桁行13メートル、梁間4.5メートル、建築面積61平方メートル。切妻造・鉄板葺で、線路側に庇を張り出している。

登録の理由と価値

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。若桜鉄道安部駅本屋の特徴は二つある。一つは入口で、建物の北西の隅に、妻側と平側の2か所の入口を設けている。文化庁のデータベースは、この駅を使う2つの村の住民に配慮した造りと説明している。駅名の由来とあわせて、地域の要望を受けて生まれた駅の成り立ちが建物にも表れている。

もう一つは、ホーム側に張り出した「閉塞取扱所」である。単線の鉄道では、一つの区間に1本の列車しか入れないよう、駅の間で通行の許可をやり取りする。その取り扱いをした場所がここで、手動で信号を扱っていた時代の名残をとどめる。若桜線では平成15年(2003年)に閉塞方式が変わるまで、票券による方式が使われていた。

見どころ ― 2つの入口と閉塞取扱所

駅前に立ったら、北西の角を見てほしい。妻側と平側の両方に入口が開いていて、どちらの集落から来ても入りやすいようになっている。小さな駅舎の角に、利用者への気遣いが形になっている。

ホーム側に回ると、本屋から張り出した閉塞取扱所の出っ張りが分かる。向かいのホームは本屋から少し離れた南側にあり、ガラス窓を連ねた待合所を備える。こちらは別の登録文化財(若桜鉄道安部駅プラットホーム)である。本屋と合わせて一つの駅の景観をつくっており、若桜鉄道の案内によれば、駅は映画「男はつらいよ」のロケ地にもなった。

見学方法

若桜鉄道安部駅本屋は現役の駅舎で、待合室には列車の利用者と同じように立ち入れる。業務に使う部分と線路内には入れない。ホームへは構内の通路を通り、線路を横断しないようにする。

撮影は他の利用者や列車の運行の妨げにならない範囲で行いたい。駅への行き方と乗車券は若桜鉄道のページにまとめてある。

Q&A

Q若桜鉄道安部駅本屋はいつ建てられましたか?
A昭和7年(1932年)の建築です。安部駅は若桜線の全線開業から約2年遅れて同年2月に開業しました。平成20年(2008年)に登録有形文化財となりました。
Q若桜鉄道安部駅本屋の入口が2か所あるのはなぜですか?
A文化庁のデータベースによれば、駅を利用する2つの村の住民に配慮して、北西の隅に妻側と平側の2か所の入口を設けたためです。
Q若桜鉄道安部駅本屋の「閉塞取扱所」とは何ですか?
A単線区間で列車の通行の許可を扱った場所で、ホーム側に張り出しています。手動で信号を扱っていた時代の名残です。
Q安部駅という名前の由来は?
A若桜鉄道の案内によれば、近くの安井宿と日下部の集落から1文字ずつ取って名付けられたと伝えられています。
Q若桜鉄道安部駅本屋は中に入れますか?
A現役の駅舎なので、待合室には列車の利用者と同じように入れます。業務用の部分と線路内には入れません。

基本情報

名称若桜鉄道安部駅本屋
所在地鳥取県八頭郡八頭町日下部字徳尾1236-2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成20年(2008年)7月8日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、鉄板葺、桁行13メートル・梁間4.5メートル、建築面積61平方メートル
所有者八頭町
公開状況現役の駅舎。待合室は列車利用者と同様に立ち入り可、業務用の部分と線路内は不可

参考文献

若桜鉄道安部駅本屋(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007305
登録有形文化財ご紹介(若桜鉄道株式会社)
https://wakatetsu.co.jp/bunkazai
沿線各駅情報(若桜鉄道株式会社)
https://wakatetsu.co.jp/station/
近代化遺産としての若桜鉄道(八頭町観光協会 やずナビ)
https://yazukanko.jp/feature/wakasarailroad/

最終更新日: 2026.09.26