江戸
Edo江戸時代(1603 – 1868)の日本の文化財を一覧で閲覧できます。都道府県・種類・キーワードで絞り込み、詳しい解説や地図、旅行のヒントもご紹介します。
下総国一宮・香取神宮の大禰宜職を世襲した香取家に残る三百八十一通の古文書。平安後期から江戸期に及び、藤原摂関家政所の発給文書十四通や応永の検田取帳など、中世の神領支配を明らかにする史料を含み、昭和六十年に重要文化財へ指定された。
千葉市美術館が所蔵する国指定重要文化財「紙本淡彩風雨渡江図」は、江戸時代後期の文人画家・田能村竹田が文政12年(1829)大坂にて53歳で描いた円熟期の名品です。風雨の中を渡る小舟と静寂の家屋を対比した詩情豊かな構図、自筆の題語を伴う確実な基準作として、文人画ファンならずとも一度は対面したい一幅です。
重要文化財「大森彦七図鐔〈金象嵌銘利寿(花押)〉」は、奈良三作の一人・奈良利寿(1667–1737)の代表作として知られる装剣金工の傑作です。『太平記』に語られる大森彦七と楠木正成の怨霊・鬼女の挿話を、表裏で連続する高肉彫りと豪奢な象嵌で表現。装剣金工の最高水準を伝える名品の魅力と背景を、訪日旅行者向けにわかりやすく解説します。
井上真改は津田助広と並ぶ大坂新刀の名工で、沸の冴えから「大坂正宗」と称された。本刀は延宝四年(一六七六年)八月、最も円熟した時期の作で、青く澄んだ地鉄に長く金筋がかかり、差裏に菊紋を切る重要文化財である。
大阪府の個人が所蔵する重要文化財「刀〈銘奥州仙台住山城大掾藤原国包/寛永五年八月吉日〉」をご紹介します。仙台藩のお抱え刀工・初代仙台国包が「山城大掾」を受領した翌年、寛永5年(1628年)に鍛えた野心作で、大和保昌伝の柾目鍛えを蘇らせた新刀最上作の傑作。伊達政宗の文化的遺産を物語る貴重な一振りです。
慶長19年(1614年)、徳川将軍家の御用鍛冶・初代越前康継が輸入南蛮鉄を用いて江戸で鍛えた重要美術品指定の刀。日本刀史における南蛮鉄使用の先駆けとして、また大坂の陣の年に鍛造された歴史的資料として極めて高い価値を持つ。
大阪府堺市の大安寺に伝わる重要文化財の障壁画76面。17世紀前半の狩野派による金碧の花鳥図や水墨の西湖図が本堂四室を飾り、堺の繁栄を今に伝える唯一の障壁画遺例です。戦前の国定教科書「画師の苦心」で知られる「枝添えの松」の逸話でも有名。
大分県国東市に伝わる国指定重要文化財「三浦梅園遺稿」は、江戸時代の哲学者・三浦梅園(1723〜1789)の自筆稿本類30種212冊と器物4点からなるコレクションです。西洋の弁証法哲学を先取りした独自の「条理学」の全貌を伝える一次資料として、日本思想史上きわめて高い価値を持ちます。隣接する国指定史跡の旧宅とともに、三浦梅園資料館で公開されています。
長崎県諫早市に保管される国指定重要文化財「ヱーセルテレカラフ」は、幕末に佐賀藩精煉方が蘭学の知識を基に製作した現存唯一の国産指字式電信機です。その歴史的価値と見どころ、アクセス情報をご紹介します。
1854年、ペリー遠征に随行した写真家エリファレット・ブラウン・ジュニアが撮影した銀板写真(田中光儀像)は、外国人が日本国内で日本人を撮影した現存最古の写真の一枚として、2006年に国の重要文化財に指定されました。浦賀奉行所与力として日米交渉に携わった田中光儀の凛とした姿が、写真技術の黎明期を物語る貴重なダゲレオタイプに刻まれています。東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)に寄託。
江戸時代前期の僧侶・古典学者である契沖(1640〜1701)の自筆草稿群。『万葉代匠記』や『和字正濫鈔』など、日本の古典研究と国語学の基礎を築いた画期的著作の原稿を含む重要文化財です。
東京国立博物館が所蔵する重要文化財「絹本淡彩山中結廬図〈浦上玉堂筆/寛政四年の自賛がある〉」は、江戸後期の文人画家・浦上玉堂が四十八歳、脱藩の二年前に描いた紀年銘付きの貴重な山水画です。藍や代赭を用いた明るい色彩のなかに、晩年様式への萌芽が感じられる名品の魅力をご紹介します。
「絹本著色鶉図〈『雑華室印』ノ印アリ〉」は、南宋時代に中国で描かれた一幅の花鳥画で、室町幕府六代将軍・足利義教の鑑蔵印「雑華室印」が捺されています。後に「東山御物」と総称される足利将軍家の中国絵画コレクションに連なる重要文化財として、東京都内の個人によって大切に守り伝えられている貴重な一作です。
寛永十八年(1641年)に狩野探幽が描いた茶人・佐久間将監(実勝)の肖像。没する前年に写された寿像で、画面には実勝の庵を開いた大徳寺龍光院の江月宗玩と、幕府随一の儒者・林羅山の賛が並ぶ。古田織部らに学んだ茶人の姿を今に残す重要文化財。
虫と魚を絹に描いた全12図の画帖で、各図に漢詩を添える。渡辺崋山が天保12年(1841)に弟子の椿椿山へ送った最晩年の作で、その約一か月後に崋山は世を去った。弱肉強食を寓した憂国の作とも読まれ、重要文化財に指定。岡田美術館蔵。
北宋の皇帝・徽宗が描いたとされる国宝「桃鳩図」の魅力を紹介。没骨描法による繊細な鳩と桃の表現、痩金体の落款、足利義満旧蔵の来歴など、約900年の歴史を超えて輝き続ける花鳥画の傑作について詳しく解説します。
外務省外交史料館が所蔵する重要文化財「通信全覧」(320冊)と「続通信全覧」(1784冊)は、安政6年(1859)から慶応4年(1868)の幕末10年間に交わされた外交文書を体系的に編纂した、日本初の本格的な外交文書集です。ペリー来航や生麦事件など歴史的事件の一次史料を含む約2000巻にのぼるこの記録群は、平成28年(2016年)に重要文化財に指定されました。麻布台ヒルズ森JPタワー5階の展示室で関連史料を無料で見学できます。
東京都内に伝わる「南部家文書」は、八戸南部家(のちの遠野南部家)に伝来した中世文書243通からなる国指定重要文化財です。鎌倉時代から江戸初期までの文書がすべて未表具のまま伝わり、北畠顕家・顕信兄弟の国宣・御教書や曽我文書を含むなど、南北朝時代の奥州の政治情勢を立体的に伝える貴重な史料群です。
江戸時代中期の装剣金工師・土屋安親による重要文化財の鐔。鉄地に高彫と金象嵌で日の出と群千鳥を表現した、奈良三作の一人による傑作刀装具を紹介します。
択捉島に生まれた横山松三郎は、母の肖像を残すため独学で写真術を習得した。本資料群83点は弟松蔵が身を寄せた函館の高田家に伝わり、コロジオン湿板の原板や写真油絵、技術書を含む。2023年に重要文化財に指定された写真師の記録である。