滋賀県の国 宝
National Treasures of 滋賀県滋賀県に所在する国宝。
善水寺本堂は、滋賀県湖南市岩根の善水寺にある室町時代前期の本堂で、昭和29年に国宝に指定された。1360年の炎上ののち1366年に再建された密教本堂で、滋賀県の一連の密教本堂のうちの優作とされる。
長寿寺本堂は、滋賀県湖南市の長寿寺にある鎌倉時代前期の本堂で、昭和28年に国宝に指定された。方五間の純和様の本堂で、小屋構造や屋根の反転曲線まで古様をよく伝える、和様の代表的な優作である。
都久夫須麻神社本殿は、滋賀県長浜市の竹生島にある本殿で、昭和28年に国宝に指定された。1567年の再建本殿に1602年に豊臣秀頼がほかから移した建物を組み合わせたもので、豪華な身舎は桃山時代の代表的建築である。
苗村神社西本殿は、滋賀県竜王町の苗村神社にある鎌倉時代後期の本殿で、昭和30年に国宝に指定された。三間社流造の前面に菱格子の前室と向拝を付けた形式で、蟇股が特に美しい。
滋賀県大津市坂本本町に建つ日吉大社西本宮本殿及び拝殿。天正14年造立の本殿は背面だけ庇を欠く日吉造で、昭和36年に国宝に指定された。床下には仏事を営んだ下殿の部屋が残り、拝殿は折上小組格天井をもつ社殿。
滋賀県大津市坂本本町にある日吉大社東本宮本殿及び拝殿。文禄4年造立の本殿は昭和36年に国宝へ指定された。背面の床が一段高いことや窓の位置、舟肘木の形など、西本宮本殿との違いを細部に読み取れる社殿2棟。
琵琶湖の竹生島にある宝厳寺の唐門・観音堂・渡廊。慶長8年(1603年)に豊臣秀頼が移した桃山建築で、唐門は大坂城の遺構とする説があり国宝。観音堂と舟廊下と呼ばれる渡廊は重要文化財。令和2年に修理完成。
御上神社本殿は滋賀県野洲市三上の御上神社にある鎌倉時代後期の本殿で、昭和27年(1952年)に国宝に指定された。入母屋造の屋根、漆喰壁、連子窓、隅柱だけの舟肘木など仏堂の要素を取り込み、建武4年(1337年)銘の縁束石が残る。
大正十三年、比叡山横川の如法堂跡から銅筒に納められて出土した平安時代の金銅経箱。長元四年に上東門院藤原彰子が書写した法華経を納めた品で、蓋には籠字で妙法蓮華経の五字が刻まれる。京都国立博物館蔵の国宝。
七条刺納袈裟は、滋賀県大津市の延暦寺が所有する唐代の七条袈裟で、昭和41年に国宝に指定された。伝教大師が唐から請来したと伝えられ、麻地に色糸を刺繍した刺し子の袈裟で、麻製の遺品として極めてまれである。
比叡山延暦寺が所有する国宝の染織遺品。最澄が唐より将来した隋時代の絹の刺納衣で、布の断片を継いだ刺し子の僧衣。天台大師・智顗の所用と伝わる。麻の七条刺納袈裟と一括で指定され、現在は京都国立博物館に寄託される。
滋賀県大津市の石山寺に伝わる国宝「越中国官倉納穀交替記残巻」は、奈良時代の越中国(現在の富山県)における官倉の穀物管理と引き継ぎを記録した貴重な古文書です。紙背には密教文献が書写され、古代行政と仏教文化の交差点を今に伝えます。
延暦交替式は、国司の交替手続きを定めた平安初期の法令の写本で、石山寺所蔵の国宝。延暦22年に菅野真道らが撰進した全41条の本文を含み、紙背には淳祐内供筆とされる梵字の悉曇章が記される。律令官制と密教の学問、二つの世界が一巻に重なる。
延暦寺が所有する国宝の古文書。天台宗の開祖最澄が唐から持ち帰った法具などを書き上げた自筆の目録で、巻頭を火災で失い「羯磨金剛」の語から始まる。各品の末には弘仁二年の日付と署名が記される。東京国立博物館に寄託。
滋賀・石山寺に伝わる国宝。中国の正史『漢書』を奈良時代の日本で書写した二巻で、唐の顔師古の注を伴う。紙背には平安時代の僧元杲が密教の覚書『金剛界念誦私記』を記し、別々に写された二巻を一具へと結びつけている。
6世紀の梁で顧野王が編んだ漢字字典『玉篇』は中国で散逸し、本来の姿は唐代の写本によって日本にのみ残った。石山寺の本巻は全30巻のうち巻第廿七の後半にあたり、糸部などを収める。前半は京都の高山寺が所蔵する国宝である。
滋賀県長浜市の神照寺に伝来する国宝。銅の円板を皿形に打ち、宝相華唐草文を透かし彫りにして鍍金と鍍銀を施した、法会で散華を盛る器である。径約二十八・五センチの十六枚が現存し、うち二枚は京都国立博物館に収まる。
滋賀・大津の三井寺が伝える国宝の仏画。全身を黄色に塗った不動明王を、背景を描かず虚空に立つ姿で表す。円珍が感得したという伝承に結びつき、単独の不動明王画として現存最古の作とされる。日本三不動の一で、原本は秘仏。
弘仁14年(823年)、嵯峨天皇が僧光定の受戒を証して自ら筆を執った戒牒。最澄が悲願とした比叡山の大乗戒壇設立にちなむ文書で、確実な真筆として唯一伝わる国宝。楷書・行書・草書を交える破体の書が見どころで、延暦寺国宝殿に収蔵される。
滋賀県大津市の石山寺が所蔵する国宝。奈良時代に書写された史記巻九十六・九十七の残巻で、現存最古級の写本とされる。紙背には平安期の僧淳祐にゆかりの金剛界次第が記され、表裏で時代も内容も異にする稀有な一巻である。