佐藤家住宅新蔵とは

佐藤家住宅新蔵は、岩手県一関市千厩町の横屋酒造・佐藤家住宅にある大正11年(1922年)建築の土蔵造2階建の蔵で、平成15年(2003年)に国の登録有形文化財に登録された。

敷地の北東の辺、原田門の南に建つ。建築面積は46平方メートル。切妻造の妻入で、屋根は桟瓦葺。上棟の年は棟札によって分かっている。北隣の文庫蔵より1年早く建った。

登録の理由と価値

登録基準は「造形の規範となっているもの」。文化庁の解説は、壁・軒・扉まわりの随所に装飾的な要素を用いている点を挙げている。登録番号は03-0036。

壁を水切で3段に分け、最下段を煉瓦積、上を漆喰塗とする構成は、翌年の文庫蔵にも受け継がれた。2棟を比べると、新蔵は軒と扉まわりに手をかけ、文庫蔵は窓に手をかけており、同じ骨格の上で見せ場を変えていることが分かる。

見どころ:海鼠風の軒先と持ち送りの戸前庇

まず軒先を見上げたい。文化庁の解説によれば、桟瓦葺の屋根の軒先は「海鼠風」に納められている。海鼠壁に見られる漆喰の表現を、壁ではなく軒の端に用いたものとみられ、見上げたときの屋根の輪郭に表れる。

次に入口。蔵の扉口(戸前)の上に小さな庇が掛かり、それを持送りと呼ばれる腕木が下から支えている。文化庁の解説が「特異」と書くのはこの持ち送りの形で、実用の部材をそのまま飾りに仕立てている。

足もとの煉瓦、中段と上段の漆喰、軒の縁取りと、下から上へ仕上げが変わっていく。佐藤家住宅新蔵は妻面が正面なので、正面から少し下がって全体を見ると、この重なりがよく分かる。

見学方法

千厩酒のくら交流施設の開館日には、敷地内から佐藤家住宅新蔵の外観を無料で見学できる。岩手県の公式観光サイトは、施設内の会場として「新蔵ライブホール」(収容40人)を挙げており、この新蔵を指すとみられる。演奏会などの催しがある日は内部に入れる可能性があるが、ふだん内部を公開するという案内は運営者のサイトに見当たらない。中を見たい場合は千厩まちづくり株式会社(電話0191-53-2070)に問い合わせたい。敷地への行き方と開館日・開館時間は、横屋酒造・佐藤家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q佐藤家住宅新蔵はいつ建てられましたか?
A大正11年(1922年)の建築で、上棟の年は棟札で分かっています。平成15年(2003年)1月31日に国の登録有形文化財に登録されました。
Q佐藤家住宅新蔵の見どころは何ですか?
A海鼠壁風に納めた軒先と、持ち送りで支えた戸前の庇です。壁は3段に分けられ、最下段が煉瓦積になっています。
Q佐藤家住宅新蔵はどこにありますか?
A敷地の北東の辺、原田門の南側にあります。原田門の北には翌年建築の文庫蔵が並びます。
Q佐藤家住宅新蔵の中に入れますか?
Aふだん内部を公開する案内はありません。岩手県の観光サイトが紹介する「新蔵ライブホール」での催しの際に入れる可能性があるため、運営者に確認してください。
Q佐藤家住宅新蔵の見学は有料ですか?
A千厩酒のくら交流施設の開館日に、敷地内から外観を無料で見学できます。

基本情報

名称佐藤家住宅新蔵(さとうけじゅうたくしんぐら)
所在地岩手県一関市千厩町千厩字北方134
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成15年(2003年)1月31日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積46平方メートル
所有者一関市
公開状況開館日に敷地内から外観を無料で見学可。内部は常時公開ではない

参考文献

佐藤家住宅新蔵|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003025
千厩酒のくら交流施設(千厩まちづくり株式会社)
https://sakenokura.com/wp/kura/
一関・千厩酒のくら交流施設(岩手県公式観光サイト いわての旅)
https://iwatetabi.jp/spots/5535/

最終更新日: 2026.09.26