東大寺南大門は重源が大仏様で再建した鎌倉時代の正門

東大寺南大門は、奈良県奈良市雑司町の東大寺の正門にあたる鎌倉時代前期の二重門で、正治元年(1199年)に上棟し、昭和26年(1951年)に国宝に指定された。読みは「なんだいもん」。

奈良時代に建てられた最初の東大寺南大門は、平安時代に大風で倒れた。治承4年(1180年)の兵火のあと、東大寺の復興を率いた重源が、中国・宋の建築様式を取り入れて建て直したのが現在の門である。文化庁は、完成の時期ははっきりしないものの、建仁3年(1203年)の供養までには落成していたとみている。寺は、門に納める金剛力士像とともに1203年に竣工したと案内している。

東大寺南大門の構造:通し柱と挿肘木

東大寺南大門は、正面5間に3つの出入口を開く五間三戸の二重門で、屋根は入母屋造、本瓦葺である。寺によると、基壇からの高さは25.46メートルあり、屋根裏まで届く18本の円柱は長さ19.058メートルに及ぶ。

柱を上下の層で分けず、1本の柱で上層まで通しているのがこの門の骨組みの要である。上層と下層のあいだに床はなく、下層の屋根は腰屋根として柱に取り付く。軒を支えるのは、柱に差し込んだ肘木を6段重ねた六手先の組物で、この挿肘木の積み重ねが下から見上げたときの迫力を生んでいる。

文化庁の解説は、このほかにも大仏様の特色を数多く挙げる。軒先の垂木の端を板(鼻隠板)で覆った一重の軒、隅の部分だけを放射状に配した扇垂木、独特の繰形をもつ木鼻、天井を張らずに構造材を見せる化粧屋根裏、断面が円形の太い虹梁、藁座で吊り込む板桟戸などである。

東大寺南大門が国宝に指定された理由

東大寺南大門は明治30年(1897年)に古社寺保存法のもとで指定され、昭和26年(1951年)に国宝となった。文化庁は、大仏様の特色をよく示し、その構造的な美しさは注目に値すると評価している。

重源が再建した鎌倉時代の大仏殿は永禄10年(1567年)に焼けて残っていない。寺は、東大寺南大門をその大仏殿の姿をしのばせる貴重な遺構と位置づけ、国内最大級の重層門と紹介している。大仏様の建物は現存例が少なく、その代表としてこの門が挙げられる。

東大寺南大門の金剛力士像を見る

東大寺南大門の正面左右の間には、金剛力士(仁王)像(国宝)が向かい合って立つ。寺によると、建仁3年(1203年)に運慶・快慶らの仏師がわずか69日で造り上げた像で、いずれも像高8.4メートル弱ある。昭和63年(1988年)から平成5年(1993年)の修理で、像の内部から重源や仏師の名を記した経巻や墨書が見つかり、運慶・快慶に定覚・湛慶が加わっていたことが分かった。

像は門の内側を向かず、参道を挟んで向き合うように置かれている。金網越しになるので、門の中央に立って左右を見比べるより、少し離れて斜めから見たほうが全身をとらえやすい。

門の下に入ったら、真上を見上げてほしい。天井がないため、通し柱と貫が屋根裏まで組み上がる骨組みがそのまま見える。

東大寺南大門の見学

東大寺南大門は境内の参道にあり、時間を問わずくぐることができ、料金はかからない。奈良公園側から東大寺へ向かうと、まずこの門を通ることになる。

門と大仏殿を結ぶ参道は人や鹿の通行が多く、自転車やバイクでは入れない。南大門の南西にある駐輪場に置いて歩く決まりである。大仏殿の拝観時間や境内への行き方は東大寺のページにまとめてある。

Q&A

Q東大寺南大門はいつ建てられましたか?
A正治元年(1199年)に上棟した鎌倉時代前期の門です。重源が東大寺の復興事業のなかで再建し、建仁3年(1203年)ごろに金剛力士像とともに完成しました。
Q東大寺南大門の高さはどのくらいですか?
A寺によると、基壇からの高さは25.46メートルあり、屋根裏まで達する18本の円柱は19.058メートルです。
Q東大寺南大門の大仏様とはどんな様式ですか?
A重源が宋から取り入れた建築様式です。通し柱、柱に差し込んだ肘木を重ねる挿肘木、隅だけの扇垂木、天井を張らない化粧屋根裏などが特徴です。
Q東大寺南大門の金剛力士像は誰が造りましたか?
A建仁3年(1203年)に運慶・快慶らが69日で造りました。修理の際の発見から、定覚と湛慶も大仏師として加わっていたことが分かっています。
Q東大寺南大門は無料で通れますか?
Aはい。南大門は境内の参道にあり、料金はかかりません。拝観料が必要なのは大仏殿や法華堂などのお堂です。

基本情報

名称東大寺南大門
所在地奈良県奈良市雑司町
指定区分国宝
指定年明治30年(1897年)重要文化財指定、昭和26年(1951年)国宝指定
員数1棟
寸法五間三戸二重門、入母屋造、本瓦葺。基壇上の高さ25.46m、円柱18本(長さ19.058m)(東大寺)
所有者東大寺
公開状況境内の参道にあり常時通行可、無料

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):東大寺南大門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2435
東大寺:南大門
https://www.todaiji.or.jp/information/nandaimon/
東大寺:鎌倉再建
https://www.todaiji.or.jp/history/kamakuraki/
東大寺:交通案内
https://www.todaiji.or.jp/access/
文化遺産オンライン:古都奈良の文化財
https://online.bunka.go.jp/special_content/hlink7

最終更新日: 2026.10.02