東大寺鐘楼は栄西が再建した鎌倉時代の鐘楼

東大寺鐘楼は、奈良県奈良市雑司町の東大寺で大仏殿の東の丘に建つ鎌倉時代前期の鐘楼で、承元年間(1207〜1210年)ごろに再建され、昭和26年(1951年)に国宝に指定された。読みは「しょうろう」。

文化庁の解説によると、東大寺に初めて鐘が懸けられたのは天平勝宝4年(752年)で、鐘楼もこの年に建てられ、当初から大仏殿の東の岡の上にあったらしい。現在の東大寺鐘楼は、重源に続いて東大寺の大勧進となった栄西(1141〜1215年)が再建したものである。寺は、この場所を俊乗堂と念仏堂にはさまれた「鐘楼ヶ丘」と案内している。

重い鐘を吊るための東大寺鐘楼の構造

東大寺鐘楼は方1間、四方を壁のない吹放ちとした建物で、屋根は入母屋造、本瓦葺である。壇上積基壇の上に建つ。柱間は1間だが、各面の中ほどに貫と間柱を入れて補強し、重い鐘を吊るための巨大な虹梁を受けている。

各部材は、文化庁が「木割がきわめて太い」と記すとおり極端に太い。貫の端の繰形や断面が円形の虹梁には大仏様の特徴が見られる。一方、柱の上だけでなく柱間にも組物を置く詰組は、軸部と違って木割が細く、その構成や尾垂木の形は特異である。

文化庁は、構造法は大仏様を基盤としながら、組物の配置や細部に禅宗様らしい点も見られるとしている。栄西が宋に渡って禅を伝えた僧であることを思うと、この混じり方は興味深い。

東大寺鐘楼が国宝に指定された理由

東大寺鐘楼は明治30年(1897年)に古社寺保存法のもとで指定され、昭和26年(1951年)に国宝となった。指定には棟札1枚が附として含まれる。

文化庁は、鎌倉時代前期の異色ある遺構として貴重であると評価し、技術と様式の両面から文化史的な意義がきわめて深いとしている。重源の大仏様が、次の大勧進である栄西の時代にどう受け継がれ、変化したかを示す建物でもある。

東大寺鐘楼の大鐘と鐘の音

東大寺鐘楼に吊られた梵鐘(国宝)は、東大寺の創建当初のものである。寺によると総高3.86メートル、口径2.71メートル、重さ26.3トンで、東大寺では古くから大鐘(おおがね)と呼ばれ、「奈良太郎」の愛称もある。延久2年(1070年)と永長元年(1096年)には地震で落下し、延応元年(1239年)には龍頭が切れて落ちたが、そのたびに修理されたことが銘から分かる。

撞木はケヤキ製で長さ4.48メートル、金具を含めると約200キログラムある。鐘は今も毎日午後8時に撞かれ、鐘楼の近くで聴くことができる。2月26日から3月14日までは午後7時に撞かれ、3月1日から14日までは深夜1時にも撞かれる。

吹放ちの建物なので、外から巨大な虹梁と鐘を同時に見上げられる。真下に近づくと、梁と鐘の大きさの釣り合いがよく分かる。

東大寺鐘楼の見学

東大寺鐘楼は境内の丘の上にあり、外観は料金なしで見学できる。大仏殿を出て東へ坂を上ると、鐘楼ヶ丘に着く。

夜8時の鐘を聴きに来るなら、鐘楼の周辺は暗いので足元に気をつけたい。大晦日の除夜の鐘など行事の日は条件が変わるため、東大寺の公式サイトで確かめておきたい。境内への行き方は東大寺のページにまとめてある。

Q&A

Q東大寺鐘楼はいつ建てられましたか?
A現在の建物は鎌倉時代前期、承元年間(1207〜1210年)ごろに栄西が再建したものです。鐘楼の創建は天平勝宝4年(752年)と考えられています。
Q東大寺鐘楼の鐘の大きさは?
A寺によると総高3.86メートル、口径2.71メートル、重さ26.3トンです。東大寺創建当初の鐘で、「奈良太郎」の愛称があります。
Q東大寺鐘楼の鐘はいつ聴けますか?
A毎日午後8時に撞かれます。2月26日から3月14日は午後7時で、3月1日から14日は深夜1時にも撞かれます。
Q東大寺鐘楼の建築様式の特徴は?
A大仏様を基盤としながら、詰組の組物や細部に禅宗様らしい点が見られます。文化庁は鎌倉時代前期の異色ある遺構と評価しています。
Q東大寺鐘楼は無料で見られますか?
Aはい。境内の丘の上にあり、外観は料金なしで見学できます。

基本情報

名称東大寺鐘楼
所在地奈良県奈良市雑司町
指定区分国宝
指定年明治30年(1897年)重要文化財指定、昭和26年(1951年)国宝指定
員数1棟(附 棟札1枚)
寸法桁行1間、梁間1間、一重、入母屋造、本瓦葺。四面吹放ち
所有者東大寺
公開状況外観は常時見学可、無料

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):東大寺鐘楼
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2437
東大寺:鐘楼
https://www.todaiji.or.jp/information/shoro/
東大寺:鎌倉再建
https://www.todaiji.or.jp/history/kamakuraki/
東大寺:年中行事一覧
https://www.todaiji.or.jp/annual/event/

最終更新日: 2026.10.02