国宝
National Treasures都道府県、時代、種類別に日本の国宝を閲覧できます。寺院、神社、城、美術館での見どころを分かりやすく解説し、地図や旅行のヒントもご紹介します。
京都国立博物館所蔵の世説新書巻第六残巻は、7世紀後半から8世紀前半に書写された世界最古の世説新書写本である。規箴・捷悟二篇172行を残し、紙背の密教儀軌や角筆・白点の訓点とともに1951年に国宝に指定された。
天平13年(741)7月15日、僧正玄昉が聖武天皇らの安寧を祈って書写させた一千巻のうち、唯一現存する国宝の経巻です。天平写経の優品で平安後期の訓点も残る、京都国立博物館守屋コレクションの白眉といえます。
京都国立博物館が蔵する国宝の太刀〈銘則国〉。粟田口派の名工・則国の在銘作はきわめて少なく、本品はその数少ない一口である。鎌倉時代の作で、磨上げを経てなお姿よく、細直刃と精美な地鉄に京都の刀の品格がうかがえる。
京都国立博物館が保管する国宝、太刀〈銘安家〉。伯耆の刀工・安家の作と確実視される唯一の遺例で、磨り上げのない健全な姿に、小乱れに丁子を交えた刃文と地斑の地肌をとどめる。福岡藩主黒田家の旧蔵品で、銘は安綱に近い。
京都国立博物館が所蔵する国宝の手鑑「藻塩草」。奈良から室町にいたる古筆切を二百四十一葉あまり収め、江戸時代の古筆鑑定の台帳として伝来した。高野切や室町切など貴重な断簡を一帖に見られる、書の歴史をたどる屈指の集成である。
京都国立博物館所蔵の国宝「日本書紀」岩崎本は、推古天皇紀と皇極天皇紀の2巻からなる平安中期の古写本。和様の端正な筆跡に5系統の訓点と一条兼良の校合識語が重なり、本文・書道・国語学の三面で価値を持つ国宝である。
京都国立博物館が所蔵する国宝「日本書紀神代巻(吉田本)」。鎌倉時代の学者・卜部兼方が一行十四字に自筆で書写し、朱の訓点や紙背の裏書を加えた、神代巻の完存する現存最古本です。この裏書は最古の注釈書『釈日本紀』の基礎となりました。
京都国立博物館蔵の国宝「藤原忠通筆書状案」は、関白藤原忠通の書状案29通を全長9.8メートルの一巻に収めた平安時代の遺品。紙の継ぎ目をまたぐ文字が案文である証拠となり、法性寺流の書風を最も明瞭に示す第一級の書跡。
京都国立博物館が所蔵する国宝。藍に染めた繊維を漉き込み、銀箔を散らした料紙に『万葉集』巻第九を書写した平安後期の巻物。桂本などと並ぶ五大万葉集の一つで、巻子のまま残る唯一の藍紙本。力強い筆跡から藤原伊房の筆と推定される。
京都国立博物館に伝わる国宝『明恵上人歌集〈高信筆〉』は、鎌倉時代の高僧・明恵上人(1173〜1232)の和歌155首を、弟子の順性房高信が師の十七回忌にあたる宝治2年(1248)に書写した巻子本です。現存する明恵唯一の歌集として、その人となりと華厳・密教の精神世界を今に伝えます。昭和27年(1952)に国宝に指定され、書跡・典籍の重要資料として高く評価されるこの巻物の魅力と、あわせて訪ねたい東山の名刹や世界遺産・高山寺までを丁寧にご紹介します。
俵屋宗達による水墨画の最高傑作〈蓮池水禽図〉。京都国立博物館所蔵の国宝で、江戸時代初期に描かれた紙本墨画の掛幅です。二茎の蓮と二羽のかいつぶりを墨のみで描き分け、動と静、盛りと衰えを静謐な詩情のうちに表現した名品の魅力、国宝指定の理由、見どころ、周辺情報までをわかりやすくご紹介します。
雪舟八十代の筆と推定される国宝・天橋立図。二十余枚の紙を継いだ下絵に、実在しない高所から見た丹後の景観が広がる。智恩寺多宝塔が示す制作年代、朱の転写が明かす制作の裏側、そして現地天橋立の歩き方までを紹介する。
京都国立博物館が所蔵する国宝「病草紙」は、十二世紀の病や身体の異変を率直に描いた絵巻の断簡。病者だけでなく、それを笑い、見つめ、目をそらす周囲の人々のまなざしまでとらえ、六道のうち人道を描いた作品として知られる。
京都国立博物館の国宝「餓鬼草紙」は、生者に見えぬ餓鬼の受苦と救済を詞書を伴う七段に描いた十二世紀後半の絵巻。後白河院ゆかりの蓮華王院宝蔵に納められた六道絵の一つとされ、淡彩と柔らかな線が群衆と亡者を活写する。
国宝「目無経」こと白描絵料紙墨書金光明経巻第三。中断した物語絵巻の白描下絵を転用し、後白河法皇の崩御直後の建久三年(1192)に金光明経を書写した京都国立博物館の一巻です。絵巻の制作工程をうかがわせる稀少な国宝を紹介します。
中国・南宋時代の青磁下蕪花生。丸くふくらむ胴に細い頸が立つ国宝で、貫入のない淡い青の釉がむらなく掛かる。官窯か龍泉窯か、焼かれた窯は今も未確定。東京国立博物館に寄託され、群馬の原美術館ARCでも折にふれ公開される。
千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館が所蔵する国宝「額田寺伽籃並条里図(麻布)」は、奈良時代後期(8世紀中頃〜後半)に麻布4枚を継いで描かれた希少な大型絵図です。大和国平群郡の条里区画と、中央下部に描き込まれた額田寺の堂塔伽藍が、朱墨と大和國印によって鮮やかに彩られ、古代日本の土地制度・寺院建築を今に伝える唯一無二の一次資料となっています。
千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館が所蔵する国宝「後宇多院宸記」。出家後もふたたび院政をしいた後宇多院が、文保三年(一三一九年)の具注暦の余白に自筆で書き残した一巻の日記で、鎌倉後期の宮廷を内側から知る貴重な古記録です。
千葉・国立歴史民俗博物館が所蔵する国宝。倭人記事で知られる『漢書』地理志を含む南宋慶元年間の刊本で、全61冊が完存する。直江兼続を経て米沢藩校興譲館に伝わった「上杉本」で、五山僧の書き入れも残る貴重な一具である。
千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館が所蔵する宋版後漢書(慶元刊本)。南宋慶元年間に建安で刷られた全六十冊の刊本で、史記・漢書とともに三史をなす。東夷伝には倭の使者や女王卑弥呼の記述が残り、直江兼続を経て米沢藩興譲館に伝来した上杉本である。