和歌山県の重 要 文 化 財
Important Cultural Property of 和歌山県和歌山県に所在する重要文化財。
和歌山県の高野山・龍光院に伝わる重要文化財「厨子入倶利伽羅竜剣」をご紹介します。剣に黒龍が巻きつく密教の聖剣を専用の厨子に納めた一具で、弘法大師空海が天長元年(824年)の神泉苑における雨乞いに用いたとの寺伝を持つ聖宝。倶利伽羅竜剣の象徴、厨子の荘厳、空海と龍にまつわる伝説、高野山霊宝館での公開情報、周辺の見どころまで、英語版・日本語版の両方で詳しくご案内します。
高野山大学を擁する高野山学園が蔵する、密教三部経の古写経三巻。大日経・金剛頂経・蘇悉地経からなり、奈良から平安にさかのぼる。行間には朱や白の珍しい訓点が加えられ、日本語の歴史を裏づける国語史資料としても貴重な重要文化財である。
高野山の別格本山・竜光院に伝わる重要文化財。真言密教の根本経典『大日経』を平安後期の康平元年に書写した貴重な一巻で、空海の伝えた教えの核心に近く、一字ずつ写経することに込められた信仰のかたちを今に伝える。
室町時代に因幡国で活動した刀工景長による太刀で、細直刃を焼く。享保6年、八代将軍徳川吉宗が祖父頼宣の五十回忌に紀伊国内の神社へ納めた一口で、和歌山県有田市の須佐神社に社宝として伝わる。糸巻太刀拵を附す。
鎌倉時代に肥後国で活動した延寿派の刀工国時による太刀で、中直刃を焼き、地鉄に白気がかかる。享保6年、八代将軍徳川吉宗が祖父頼宣の五十回忌などに際して紀州東照宮へ奉納した一口で、現在は和歌山県立博物館に寄託されている。
茎に「国広」と銘を切る桃山時代の太刀で、一般に新刀期を代表する堀川派の祖堀川国広の作とされる。高野山金剛峯寺が所有し、正阿弥常吉作の沃懸地蒔絵太刀拵金具を附す。高野山霊宝館で特別展などの折にときおり公開される。
茎に作者名と官途、正応二年十一月の年紀を刻む備前国の刀工景依による太刀で、刀樋を掻流し、小丁子を焼く。鎌倉時代後期の生ぶの一口で、紀州東照宮が所有し、現在は和歌山県立博物館に寄託されている。糸巻太刀拵を附す。
茎に「真長」と銘を切る鎌倉時代の太刀で、備前長船の名工真長の作とされ、直刃に互の目をまじえる。紀州藩三代藩主徳川綱教が紀州東照宮へ奉納した一口で、葵紋の糸巻太刀拵を附し、現在は和歌山県立博物館に寄託されている。
紀州東照宮が蔵する重要文化財。南北朝期の京で相州伝を取り入れ刀身彫刻に長けた信国一門の作で、約71センチの磨上、浅い反りに乱れの刃文を焼き、表裏へ棒樋を掻く。来派の後を受けた山城伝の展開を示す一口である。
和歌山市有本の若宮八幡神社が蔵する重要文化財。備前長船秀光が至徳四年(1386年)に鍛えた南北朝の太刀で、のちに紀州五代藩主から八代将軍となった徳川吉宗が、藩祖頼宣の創建した当社へ奉じた一口として伝わる。
紀州東照宮が蔵する重要文化財。鎌倉後期の初期長船の名工と伝わる真長の作で、約80センチの生ぶの長寸に直刃を焼く。徳川の葵紋を散らした金梨子地の拵をともない、刀身と拵がそろって伝わるひときわ完備した一具である。
紀州東照宮が蔵する太刀〈銘伯耆大原真守〉。伯耆の祖安綱の系譜を引く鎌倉初期の刀工真守の作で、表に連樋を掻き、裏には梵字を彫る。安綱と同じ大正二年指定の重要文化財で、紋を置かない無地の拵を伴う、伯耆鍛冶の系譜を伝える一口である。
熊野速玉大社が蔵する太刀〈銘正恒〉。古備前を代表する刀工正恒の作で、よく詰んだ地鉄と静かな刃文を特徴とする。約千点の古神宝が一括国宝とされるなか、本作はそれとは別に指定された重要文化財の一口で、糸巻太刀拵を伴う。
和歌山市の紀州東照宮が蔵する太刀〈銘光忠〉。長船派の祖光忠の作で大ぶりの丁子を焼く。同宮の刀剣の多くが葵紋を帯びるなか、本作は桐紋を散らした拵を伴い、信長から秀吉、家康への伝来が語られる重要文化財である。
和歌山市の紀州東照宮が蔵する太刀〈銘守家〉。備前畠田派の刀工守家の屈指の作とされ、刃縁に華やかな丁子乱れを焼く。紀州徳川家に伝来し、家を守る一刀として重んじられたと語られる。葵紋を散らした糸巻太刀拵を伴う重要文化財である。
和歌山市の紀州東照宮が蔵する太刀〈銘安綱〉。平安時代の伯耆で活動した最古級の刀工安綱の在銘作で、反りをもつ日本刀の姿が定まる時期を伝える。徳川頼宣が家康五十回忌の寛文五年、和歌祭に奉納したと伝わる重要文化財で、葵紋を散らす糸巻太刀拵を伴う。
和歌浦を望む紀州東照宮が蔵する重要文化財。鎌倉後期の山城来派を代表する来国俊の作で、磨上ながら三字銘を残し、約72センチの細身に静かな直刃を焼く。紀州徳川家の歴代奉納刀のひとつで、来派円熟期の瀟洒な作風をよく示す。
高野山金剛峯寺が伝える鎌倉時代の短刀〈銘国光〉。相州伝の祖とされる新藤五国光の作と伝わり、大正2年に重要文化財へ指定された。澄んだ地鉄を見せる名刀で、現在は高野山霊宝館が保管し、常設展示ではない貴重な一口を紹介する。
和歌山県広川町の廣八幡神社が伝える鎌倉時代の短刀〈銘来国光〉。京の来派を代表する名工の作で、昭和25年に重要文化財へ指定された。津波から人々を救った稲むらの火の郷に残る鵜首造の一口を、その作風とともに紹介する。
高野山の子院・龍光院に伝わる平安時代の註仁王般若経〈巻第一〉。鎮護国家を祈る仁王経に注を付した巻子本で、昭和5年に重要文化財へ指定された。山上の学侶の寺が今に守り伝える書跡典籍の貴重な名品を紹介する。