和歌山県の重 要 文 化 財
Important Cultural Property of 和歌山県和歌山県に所在する重要文化財。
世界遺産・熊野本宮大社に伝わる鉄湯釜。建久9年(1198年)の鋳出銘をもち、湯立神事に用いられた在銘最古級の遺品である。社伝に源頼朝の奉納とも伝わる、鎌倉時代初期を代表する貴重な金工品をあわせて紹介する。
高野山の学問寺・正智院に伝わる銅五鈷鈴。中国・唐時代の作で、昭和3年に重要文化財へ指定された舶載の密教法具である。修法で金剛杵と対に用いる鈴の古例として貴重な一口を、密教における役割とともに紹介する。
高野山真言宗総本山金剛峯寺に伝わる室町時代の銅鐘。釈迦の誕生日にあたる永正元年卯月八日の鋳造銘と、約六十八年後の元亀三年に加えられた追銘の二つの年号をもつ重要文化財で、金石資料としても貴重。現在は高野山霊宝館で入れ替え展示される。
高野山真言宗総本山金剛峯寺が所有する鎌倉時代の銅鐘。鐘身に弘安三年正月廿五日奉鋳の鋳出し銘をもち、年代の明らかな数少ない作例として金工史の基準となる重要文化財。現在は高野山霊宝館で入れ替えながら公開されている。
鎌倉幕府初代将軍源頼朝ゆかりの金剛三昧院に伝わる承元四年(1210年)銘の銅鐘。釈迦・薬師・阿弥陀・地蔵・不動の名号と九種の梵字真言を鋳出した稀少な重要文化財で、現在は鐘楼門に懸かり、撞かれることなく見学できる。
弘安十年(一二八七)に没した在俗者の遺骨を、奥之院の大師御廟近くに納めた一括。金銅宝篋印塔と鋳出銅板三尊仏像からなり、明治末に土中から発見された。中世の高野山における納骨の習俗を示す貴重な重要文化財である。
和歌山県・高野山の宝寿院が所蔵する『日本法華験記』上巻。比叡山の僧・鎮源が長久年間に編んだ法華経信仰の説話集で、本巻は仁平三年(一一五三)に書写された古写本。重要文化財に指定され、高野山霊宝館に保管されている。
高野山麓の九度山、古沢厳島神社に伝わった能装束四領。萌葱地と紺地の繍狩衣、長絹、法被からなり、慶長十五年の社の日記に記される。渡し繍と大胆な色変わりが桃山の特色を示す、遺例の少ない貴重な重要文化財である。
唐の詩人・白居易の文集の第三巻の一部を伝える鎌倉時代の写本で、高野山の三宝院が蔵する。平安時代以来の日本の文学を深く形づくった書物の現存最古級の古写本であり、本文の伝来を知るうえで貴重な重要文化財に指定されている。
高野山の国宝・不動堂のために造られた鎌倉時代の礼盤。導師が座して修法を勤める低い箱形の壇で、華形大壇と本来一具をなしていた。長く伝来したのちに見いだされ、同じ指定番号で重要文化財に指定された希少な遺品である。
高野山に現存する最古の堂で国宝の不動堂のために造られた鎌倉時代の大壇。華形の上段と方形の基壇の二部からなる木造の仏具で、密教の修法に用いる。箱形礼盤と本来一具をなし、格式ある堂内の設えを今に伝える重要文化財である。
正和元年(1312)の銘をもつ華形大壇は、高野山・金剛峯寺に伝わる鎌倉時代の密教大壇。蓮弁形に整えた壇に法具を四方同形に並べ、修法の場を立体の曼荼羅とする。年紀の明らかな中世の大壇として工芸史上貴重で、昭和43年に重要文化財に指定された。
唐の港から空海が投げ、遠く海を越えて高野山の松に掛かっていたと伝わる密教法具、飛行三鈷杵。白河上皇が持ち去り再び山へ戻ったという来歴をたどり、開創伝説の核心にある平安時代の重要文化財と、三鈷の松の今を訪ねる。
鎖の帯取をもつ鎌倉時代の太刀、兵庫鎖太刀二口。元寇に際して鎌倉幕府が奉納したと伝わり、高野山の守り神を祀る丹生都比売神社に伝来する。東京国立博物館に寄託される、王朝の優雅と武の堅牢を兼ねた名品を解説する。
唐の都・長安に学んだ空海が、六朝から唐にかけての詩文理論を編んだ『文鏡秘府論』。高野山三宝院に残る平安時代の古写本は、中国本国では散逸した唐代の詩論を今に残す貴重な伝本で、昭和34年に重要文化財に指定された。
天平十五年(七四三)、光明皇后の発願により書写された般若経の一巻。本文は三世紀に朱士行が西域于闐から請来した梵本に遡り、無羅叉らが漢訳した放光般若経の巻第九にあたる。高野山龍光院に伝わる、年紀の明らかな奈良写経の重要文化財。
和歌山県高野町の高野山に伝来する重要文化財「木造阿弥陀如来坐像」。安元元年(1175年)、鳥羽上皇の皇女・頌子内親王(五辻斎院)が父帝の菩提を弔うため発願した壇上伽藍の大会堂、その本尊として祀られてきた由緒ある一躯です。現在は高野山霊宝館に保管され、特別展などで公開される機会があります。皇女の祈りと浄土信仰、密教の聖地が交わる場所で、八世紀近くもの祈りを受けつづけてきた静謐なる阿弥陀仏の魅力を、歴史的背景とともにご紹介いたします。
高野山西塔の元本尊と伝わる平安初期の金剛界大日如来坐像。檜の一木造で、たびたび火災に見舞われた山内に残る数少ない古像として貴重である。現在は霊宝館に収蔵され、西塔の堂内には模刻像が安置されている。
像内背面に康平五年(1062)の墨書銘を残す金剛界大日如来坐像。檜の一木造で、浅い彫り口と安定した量感に十一世紀半ばの紀伊の地方造像の特色を示す。旧正善寺の本尊で、現在は有田市が保管する。
膝上で定印を結ぶ胎蔵界の大日如来坐像。檜寄木造漆箔で、張りのある若々しい体躯に慶派の作風が通う鎌倉初期の作。明恵上人ゆかりの真言宗最勝寺の旧蔵で、廃寺ののち浄土宗西山派の浄教寺に伝わる。大正14年指定の古い重要文化財である。