和歌山県の重 要 文 化 財
Important Cultural Property of 和歌山県和歌山県に所在する重要文化財。
高野山の西南、裏鬼門にあたる地に建つ別格本山西南院の本堂に安置される木造大日如来坐像。文化庁は鎌倉時代の作と記す。真然が開いた当院は重森三玲の大石庭で知られ、徳川家康寄進と伝わる経蔵も残る。昭和34年に重要文化財に指定された。
高野山の壇上伽藍に近い宿坊・釈迦文院に伝わる木造大日如来坐像。文化庁は平安時代の作と記す。明治41年に指定され、山内の大日如来像のなかで最も早い。古社寺保存法下の旧国宝から重要文化財へと引き継がれた、保護の古い一例である。
根来寺の大伝法堂に並ぶ丈六の三尊像。金剛界大日如来を中尊に、金剛薩埵と尊勝仏頂を配する。覚鑁の創案による組み合わせの唯一の遺品で、室町時代の作。豊臣秀吉の根来攻めの戦禍を免れ、平成6年に重要文化財に指定された。
高野山遍照光院が所蔵する鎌倉時代の木造多聞天立像。北方を護る四天王の一尊で、甲冑をまとい宝塔と戟を執り、足下に邪鬼を踏む。遍照光院は空海晩年の禅定地と伝わる宿坊。明治四十一年指定の重要文化財で、高野山霊宝館の展示で公開される。
世界遺産丹生都比売神社に伝わる室町時代の神輿二基。屋根に鳳凰、軒先に燕を配し、黒漆塗の胴に紅地蓮華唐草紋の金襴の帷帳を垂らす。中世には紀の川を下り和歌浦へ渡御する浜降りの神事に用いられた重要文化財である。
高野山竜光院に伝わる平安時代の兜跋毘沙門天立像。地天女の掌の上に立ち二鬼を従える西域風の甲冑像で、都を護った東寺の像を原型とする。国宝の紫紙金字金光明最勝王経を蔵す寺の重要文化財で、高野山霊宝館で公開される。
高野山親王院に伝わる平安時代の兜跋毘沙門天立像。地天女の掌の上に立つ西域風の守護神で、開基は天竺を目指して旅立ち、その途上で客死したと伝わる真如親王。明治四十一年指定の重要文化財で、高野山霊宝館で公開される。
高野山の塔頭・如意輪寺が伝える平安時代の如意輪観音坐像。片膝を立てる輪王坐の姿勢をとり、頬に手を添えて思索するさまを、如意宝珠と輪宝を執る六臂にあらわす。現在は霊宝館が保管し、企画展で随時公開される。
和歌山県最古の寺・道成寺に伝わる二躯の毘沙門天立像。平安時代前期・九世紀の木造彩色の像で、明治三十二年に重要文化財に指定された。大きい像は東京国立博物館に寄託され、小さい像は宝仏殿で間近に拝観できる。
和歌山県の高野山に伝わる鎌倉時代の不動明王立像。「合体不動」の名で呼ばれ、大正14年に重要文化財に指定された。総本山金剛峯寺が所有し、現在は高野山霊宝館に収蔵されている。剣と羂索を執る忿怒の姿に、衆生を救う密教の仏の働きが込められている。
高野山金剛三昧院が所蔵する木造不動明王立像は、「帆不動」の通称で知られる平安時代後期の彫刻。尼将軍・北条政子が源頼朝の菩提を弔って開いた寺に伝わり、明治41年に重要文化財へ指定された古像で、国宝の多宝塔をもつ鎌倉ゆかりの寺に今も残る。
和歌山県高野山の円通寺(円通律寺)に伝わる国指定重要文化財「紙本白描不動明王二童子毘沙門天図像」を、世界遺産・高野山の歴史と密教文化の魅力とともに紹介。白描による線描の美しさ、不動明王・二童子・毘沙門天という稀有な構成の意義、所有寺・円通律寺の沿革、そして高野山を訪れる旅の楽しみ方を、海外からの旅行者に向けて分かりやすく解説します。
和歌山県の高野山地蔵院に伝わる重要文化財「紙本著色高野大師行状図絵〈第一巻補写〉」をご紹介します。真言宗の開祖・弘法大師空海の生涯を絵画で物語る貴重な絵巻で、後世に補写された巻第一は、千二百年にわたり受け継がれてきた信仰の証です。高野山霊宝館での企画展や、世界遺産・高野山の見どころとあわせてご案内いたします。
和歌山由良の興国寺に伝わる、弘安九年(一二八六)の銘をもつ法燈国師の頂相彫刻。開山の高僧をその面貌まで写実的にとらえた鎌倉時代の肖像彫刻で、寺の重宝として大切に守り継がれており、常設の展示には供されない。
西国二番・紀三井寺が伝える平安時代の二尊。梵天・帝釈天と呼ばれるが菩薩形に造られ、作風も異なるためもと一具ではないとされる。像高は約一六四・一六一センチ。二〇二三年より本堂裏の大光明殿で常時拝観できる。
高野山の塔頭・遍明院が伝える鎌倉時代の渡海文殊の一群。獅子に乗る文殊と四人の眷属が波の上を進む、物語性に富んだ形式で、一基として数えられる。現在は山の博物館である霊宝館が保管し、企画展で随時公開される。
高野山の塔頭・遍照光院が伝える鎌倉時代の持国天立像。仏法世界の東方を守る四天王の一尊で、甲冑をまとい足下に邪鬼を踏む武将形に力強くあらわされる。現在は山の博物館である霊宝館が保管し、企画展で随時公開される。
昭和六十二年、道成寺の秘仏の胎内から現れた奈良時代の木心乾漆千手観音。面部を欠きながら背面に八世紀の造形を残し、聖林寺の国宝にも通じる古仏の、思いがけない発見と、寺の創建にさかのぼりうる価値を紹介する。
三十三年に一度だけ開帳される道成寺の秘仏、北向観音。八世紀の古仏を胎内に納めるために南北朝時代に造られた鞘仏で、本堂と同じ時期の作とされる。その特異な構造と役割、そして次の開帳の見込みまでをひもとく。
高野山に現存する最古の建造物である、金剛三昧院の国宝・多宝塔。その内陣に北条政子の時代から坐し続ける五体の如来坐像を、運慶作とする伝承や世界遺産としての位置づけ、秘仏としての公開状況を交えて紹介する。