東京都の国 宝
National Treasures of 東京都東京都に所在する国宝。
聳える山々のなか、傘をすぼめた一人の男が雨中を急ぐ。南宋の宮廷画家・馬遠の筆と伝わる国宝の絹本墨画淡彩山水図です。早く日本に渡り、室町時代の水墨画の手本となった静嘉堂の名品を、見どころとともに解説します。
巻第二十の奥書に元暦元年(1184年)の校合が記されることから名づけられた、平安期の『万葉集』写本。五大万葉集のなかで最も歌数が多く、能書十五人ほどによる寄合書で、紫と藍の飛雲を漉き込んだ鳥の子紙に書かれる。
明治7年(1874)、興福寺中金堂の須弥壇下から出土した奈良時代の鎮壇具。金銅・銀の器や鏡、金塊、和同開珎などおよそ1400点に及び、現存する寺院の鎮壇具で最も多彩な一群として国宝に指定。東京国立博物館が所蔵する。
前田育徳会が所蔵する国宝『古今集〈伝藤原清輔筆〉』。平安・12世紀に書写された上下2帖の写本で、原本の失われた古今集を復元する手がかりとなる「清輔本」系統の主要伝本。清輔自筆かをめぐる学術的留保と本文史的価値を読み解く。
前田育徳会が所蔵する国宝。現存最古の古今集写本「高野切」のうち、三人の能書による寄合書の第三種にあたる巻第十九残巻で、十一世紀中頃の書写。長歌などの雑体の歌を収め、切れ味の鋭い筆線と流麗な連綿に平安仮名の到達を示す。
東京国立博物館が所蔵する国宝。仮名序と全二十巻がそろう現存最古の『古今和歌集』写本で、上巻に元永三年(一一二〇)の奥書を持つ。紫や緑に染めた和製唐紙へ雲母で型文様を摺り、金銀の箔を撒いた華麗な彩牋に流麗なかなが書かれる。
東京・虎ノ門の大倉集古館が所蔵する書跡の国宝。紀貫之の古今和歌集仮名序を、色を変えた唐紙三十三枚を継いだ巻子に流麗な草仮名で書写した平安後期の名筆。伝・源俊頼、近年は藤原定実筆とされ、現存する巻子本のうち完本として残る唯一の序である。
東京・駒場の尊経閣文庫(前田育徳会)に伝わる国宝「三朝宸翰」は、鎌倉末〜南北朝期の伏見・花園・後醍醐の三天皇による自筆消息を一括で伝える稀有な文化財です。宸翰様を代表する能書帝たちの筆致と、激動の時代の生の言葉が紙のうえに並ぶ、類例のない書跡の宝庫をご紹介します。
東京国立博物館が所蔵する国宝「紙本墨画山水図〈雪舟筆〉」(通称・破墨山水図)は、1495年に雪舟76歳が弟子・宗淵に与えた真筆の一幅。潑墨の技法で描かれた縦148.6 cmの掛軸は、自序と五山僧六人の題詩を伴い、室町水墨画の到達点を示す名品です。見どころ・歴史・来館情報を詳しく紹介します。
藤原公任が編纂した国宝「十五番歌合(彩牋)」は、平安時代の装飾料紙に金銀箔を散らした華麗な書跡です。前田育徳会所蔵の至宝の魅力と鑑賞機会、周辺観光情報を詳しくご紹介します。
東京国立博物館・法隆寺宝物館が所蔵する国宝「沈香木画箱」をご紹介。奈良時代8世紀の稀少な木画技法の作例で、貴重な沈香・象牙・黒檀を組み合わせた石畳模様が、シルクロードを通じた東西文化交流の歴史を今に伝えます。経箱として伝えられたこの名品の見どころ、歴史的背景、拝観情報までを網羅。
東京・静嘉堂文庫美術館が所蔵する国宝「太刀〈銘包永〉」は、鎌倉時代後期に大和国で活躍した手掻派の祖・初代包永の代表作。生ぶ茎に銘が残る希少な在銘作で、冴えた地鉄と沸の豊かな刃文は「包永作中の白眉」と称されます。1952年に国宝指定。丸の内・明治生命館1階の展示ギャラリーで企画展時に公開されます。
東京国立博物館が所蔵する国宝・童子切安綱は、天下五剣の一振りに数えられる平安時代の名刀です。源頼光の鬼退治伝説や刀の見どころ、鑑賞のポイント、アクセス情報を詳しくご紹介します。
平安中期の公卿・藤原公任が編んだ私撰の儀式書。宮中の年中行事や太政官の政務、国司の職掌などを記す。前田育徳会本は鎌倉時代までに書写された巻子本十二巻で、藤原伊房筆と伝わる国宝。研究図書施設にあり常時公開はされていない。
浅草寺がもつ唯一の国宝、平安時代十一世紀の装飾経「浅草寺経」。法華経八巻に開経・結経を加えた全十巻が、金小切箔を撒いた料紙や蝶鳥螺鈿の軸首、四種糸の組紐とともに完存し、東京国立博物館に寄託されている。
琵琶湖の竹生島に伝来した平安時代の装飾経。白い料紙に金銀泥で蝶・鳥・草花・霊芝雲の下絵を大らかに描き、端正な和様で法華経方便品を写す。巻末に松花堂昭乗の鑑定書を伴い、現存二巻のうちの国宝一巻。東京国立博物館蔵。
東京都新宿区・早稲田大学図書館が所蔵する国宝「礼記子本疏義 巻第五十九」。中国南北朝期に編まれた全百巻の注釈書のうち、世界で唯一現存する一巻です。唐時代の写本で、奈良時代には日本へ渡り、巻末には光明皇后の蔵書印と伝わる「内家私印」が捺されています。その来歴と学術的価値、訪れ方をご紹介します。
東京・文京区目白台の永青文庫に所蔵される国宝「螺鈿時雨鞍」は、鎌倉時代に作られた黒漆塗りの装飾鞍。新古今和歌集に採られた慈円の恋歌「わが恋は松を時雨の染めかねて真葛が原に風さわぐなり」の歌意を、松と葛の文様と「恋」「時雨」「染」「真」「原」の螺鈿文字で表現した葦手絵の傑作です。
東京・尊経閣文庫に伝わる国宝『類聚国史』四巻は、寛平4年(892年)に菅原道真が宇多天皇の勅命で編んだ205巻の大歴史百科のうち、平安末期に書写された貴重な古写本。祥瑞・地震・仏教法会の記録を収め、失われた『日本後紀』復原と弘仁地震研究に不可欠な第一級史料です。
東京都世田谷区の五島美術館が所蔵する国宝「紙本墨画六祖挟担図」は、中国・南宋時代(13世紀)に描かれた禅画の名品です。画面左下の「直翁」の印で知られるこの一幅は、禅宗第六祖・慧能が『金剛経』の読誦に聴き入る瞬間を、淡墨の中に濃墨を点じる罔両画様式で描き出しています。偃谿黄聞の賛が制作時期を示す貴重な作例で、1952年に国宝指定されました。拝観情報と見どころを詳しく紹介します。