和歌山県の登録有形文化財
和歌山県 · 登録有形文化財
2024年12月に登録有形文化財となった新宮市の旧羽根学園熊野高等経理学校校舎。玄関ポーチに四つ玉算盤の欄間を掲げる珍しい洋風校舎で、昭和初期の商業教育の息吹を今に伝えています。新宮城跡南に佇む歴史的建造物の魅力をご紹介します。
和歌山県広川町に佇む泉家住宅座敷は、明治37年(1904年)に完成した国登録有形文化財の客用座敷です。海運商家・泉家の8代目が建設した建物は、上質な材と繊細な匠の技が光り、白漆喰の妻壁が広地区の伝統的町並みに風格を添えています。日本遺産「百世の安堵」の構成文化財の一つです。
和歌山県すさみ町に佇む国登録有形文化財「井澗家住宅線香水車小屋」。水車の力で杉の葉を搗き、線香を作り出した伝統の技と暮らしの記憶を伝える希少な産業遺産をご紹介します。
和歌山県橋本市、紀ノ川南岸にある上田家住宅主屋。昭和4年頃に建てられた木造平屋建で、正面に入母屋造の玄関を構える。表座敷は床を西へ向け、離れ座敷と一続きの接客空間をなす。伝統の形式に間取りの近代化を取り入れた登録有形文化財。
和歌山県橋本市、上田家主屋の川側に建つ米蔵及び中蔵。江戸末期の土蔵二棟を隙間を空けて据え、庇と二階壁を続けて一体とする。置屋根や中塗仕上、ひしぎ竹張など質実な技法を残す。屋敷で最も古い登録有形文化財。
和歌山県橋本市、上田家の屋敷西端に建つ離れ座敷。明治後期の木造平屋で、主屋と渡り廊下でつながる。良材を用いた八畳三間続きの接客座敷で、庭側に縁を回す。紀州青石の石垣に建ち屋敷景観を整える登録有形文化財。
和歌山県広川町大字広に建つ浦家住宅前蔵・中蔵及び櫨蔵は、江戸末期の土蔵三棟がL字に連なる建築面積117平方メートルの登録有形文化財。腰の海鼠壁と三箇所の戸前、垂木を用いない小屋組に、海運と石灰製造で栄えた商家の備えが残る。
和歌山県みなべ町北道、旧熊野街道に面する主屋の背後に建つ明治前期の酒蔵。桁行9間梁間5間の土蔵造2階建で、二階は一室、棟通り柱2本が牛梁を受ける。現存する醸造蔵としては町内唯一とされ、2014年に国の登録有形文化財となった。
和歌山県みなべ町北道、旧熊野街道に東面して建つ江戸後期の町家。主体部17mに明治期増築の座敷部9.7mが続き、26mを超える間口を見せる。白漆喰のつし二階に虫籠窓を開け、一階は繊細な出格子で覆う。2009年に国の登録有形文化財となった。
和歌山市の特別史跡・岩橋千塚古墳群の中核施設として1971年に竣工した松下記念資料館は、松下幸之助の寄附により建設され、浦辺鎮太郎が設計したモダニズム建築です。紀州青石の外壁や銅鐸文様の面格子など古代から着想を得た独自の意匠が評価され、2022年に国の登録有形文化財に登録されました。約500基の古墳群や移築民家、万葉植物園とあわせて、和歌山の歴史と自然を体感できる文化施設です。
和歌山県橋本市のJR高野口駅前に建つ旧葛城館は、明治後期に建てられた木造三階建ての旅館建築です。国登録有形文化財に指定され、現在はカフェとして営業。入母屋造の重厚な屋根と総ガラス建具が織りなす美しい調和をご紹介します。
和歌山県田辺市に残る昭和28年築の木造校舎は、防火壁や避難路など先進的な防災設計を備えた国登録有形文化財。地域住民の手で都市農村交流施設「秋津野ガルテン」として再生され、農家レストランや体験工房、熊野古道トレッキングの起点として全国から注目を集めています。
和歌山県串本町に佇む旧神田家別邸(稲村亭)は、1874年に建てられた登録有形文化財です。飢饉の際の施米への恩返しとして贈られた漂着杉の巨木から造られた、感謝と絆の物語を伝える建築遺産。現在はNIPPONIA HOTEL串本熊野海道として宿泊・飲食体験を提供しています。
昭和2年(1927年)の紀勢西線延伸に伴い建設された旧紀伊湯浅駅本屋は、国登録有形文化財の洋風木造駅舎です。現在は飲食・物販施設「湯浅米醤」として復活し、醤油醸造発祥の地・湯浅の新たな玄関口となっています。
紀の川市の県立粉河高等学校構内に建つ旧制粉河高等女学校同窓会館の和館は、昭和9年築の木造平屋建。宝形造スレート葺、建築面積131平方メートル。欄間を多用した続き間座敷で、生徒が泊まり込む家事の実習が行われた。令和5年登録。
和歌山市の桐蔭高校に残る大正11年築のコンクリート観覧席。全国中等学校優勝野球大会の連覇を受けた県市と有志の寄付金で建ち、丘陵斜面をそのまま全長156メートルの客席に変えた。皇太子が初めて野球を観戦した場所でもある。
和歌山市の桐蔭高校に建つ昭和4年築の旧図書館。開校50周年を機に保護者会が寄贈した鉄筋コンクリート造平屋建で、太い円柱の玄関ポーチ、モルタル塗の旧制中学校章、「中」の字を組んだ床下換気グリルが見どころ。
新宮市丹鶴の旧チャップマン邸を囲む石段と石垣は、大正15年頃に西村伊作が設計した延長50メートルの石造工作物。花崗斑岩の間知石を谷積に築き、東端には井戸のためのアーチ石室を備える。主屋とともに公開され、見学は無料。
和歌山県新宮市丹鶴に佇む旧チャップマン邸主屋は、大正15年(1926年)に新宮出身の建築家・西村伊作がアメリカ人宣教師チャップマンのために設計した木造2階建の洋館です。「居間中心型」住宅という当時画期的な思想を体現し、令和2年に国の登録有形文化財に登録。現在は見学無料の観光交流施設として、熊野速玉大社や新宮城跡とあわせて訪ねたい新宮の文化的名所となっています。
和歌山市小野町の旧西本組本社ビルは、慶応年間創業の建設会社が昭和2年に建てた鉄筋コンクリート造3階建。建築面積82平方メートルの小さな躯体にイオニア式柱とペディメントを構え、和歌山大空襲を免れた県都屈指の近代建築である。