奈良
Nara奈良時代(710 – 794)の日本の文化財を一覧で閲覧できます。都道府県・種類・キーワードで絞り込み、詳しい解説や地図、旅行のヒントもご紹介します。
法隆寺の西院廻廊の東に建つ東室は、奈良時代に創建された僧坊で、日本に現存する最古級の僧房建築として国宝に指定されています。簡素ながら洗練された構造を持ち、礎石や柱には法隆寺創建時代に遡る転用材が含まれる可能性があります。ユネスコ世界遺産「法隆寺地域の仏教建造物」の構成資産のひとつです。
奈良市西ノ京の薬師寺東塔は天平2年(730)の建立。各重に裳階をめぐらせ、三重塔ながら屋根は六つに見えます。創建以来ただ一つ現存する建築で旧平城京最古、頂の水煙には笛を奏で花を散らす24体の飛天が透かし彫りにされた国宝です。
東大寺が所蔵する国宝「花鳥彩絵油色箱」は、奈良時代に唐伝来の油色技法で制作された木製彩色箱です。鳳凰や鸚鵡、宝相華文が描かれた華麗な工芸品の魅力と見どころ、鑑賞機会や周辺情報を詳しくご紹介します。
奈良・興福寺国宝館に安置される「乾漆十大弟子立像」は、天平6年(734年)に光明皇后が母・橘三千代の一周忌追善のため建立した西金堂を荘厳した群像。現存する6躯はいずれも国宝に指定され、人間味あふれる表情と繊細な袈裟の表現で、天平写実彫刻の最高峰と称されます。脱活乾漆という稀少な技法で造られ、1,300年の時を超えて私たちに静かな祈りを語りかけます。
奈良・唐招提寺の金堂に安置される国宝「乾漆盧舎那仏坐像」は、鑑真和上の遺徳を偲ぶ8世紀後半の脱活乾漆造の傑作です。像高約3メートル、光背を含めれば5メートルを超える壮麗な姿は、『梵網経』に説かれる宇宙仏の世界観を今に伝えます。世界遺産「古都奈良の文化財」の構成要素として、天平美術の到達点を堪能できる名作をご紹介します。
東大寺に伝わる国宝「賢愚経巻第十五(四百四十二行)」は、奈良時代の大字写経「大聖武」の代表作。荼毘紙に端麗な大字で書かれた四百四十二行が遺る稀少な一巻で、古筆鑑賞の世界で最高の尊崇を集めてきた名品です。その歴史、価値、見どころを詳しく紹介します。
中国・唐代に織られながらササン朝ペルシア風の意匠をもつ法隆寺の国宝錦。径45センチほどの連珠円文のなかで、翼をもつ馬にまたがる四騎が振り返って獅子を射る。馬の尻に潜む「山」「吉」の二字が、製作地が中国であることを明かす。
奈良市菩提山の正暦寺に伝わる重要文化財「増壱阿含経 巻第三十(善光朱印経)」は、八世紀・天平宝字三年(七五九年)頃に書写された奈良時代後期写経の名品。法華寺寺主の尼善光が発願した一切経書写事業の遺品とされ、巻末の朱印と詳細な奥書が当時の写経所運営を伝えます。創建千年を超える山寺・正暦寺の歴史と紅葉の名所「錦の里」、日本清酒発祥の地としての魅力もあわせて紹介します。
南宋の周必大が編んだ欧陽脩の文集を版行した宋刊本の国宝。鎌倉の金沢文庫に伝来し、ほぼ完本の39冊が天理図書館に残る。後世の定本となった南宋版の校訂の精度と、海を渡った一書のたどった数奇な来歴を見つめる。
奈良・天理大学附属天理図書館が所蔵する国宝「宋版劉夢得文集」。唐の詩人・劉禹錫(字は夢得)の詩文を収めたこの宋代刊本は、栄西禅師が宋から請来し、建仁寺に伝わり、足利義満も鑑賞したと伝えられる稀覯書。中国と日本の文化交流の結晶ともいえる逸品をご紹介します。
東大寺戒壇堂に安置される国宝・塑造四天王立像は、天平彫刻の最高峰とされる奈良時代8世紀の傑作です。持国天・増長天・広目天・多聞天の四躯が壇上四隅に立ち、千二百年の時を超えて訪れる人を迎え続けています。鑑真和上ゆかりの戒壇院の歴史、国宝指定の背景、各像の見どころ、拝観のご案内までを丁寧に紹介します。
法隆寺五重塔の初層には、和銅4年(711年)に造られた塑像群が東西南北の四面に並ぶ。維摩居士の問答、分舎利、弥勒の世界、嘆く弟子たちの釈迦涅槃を表し、造立の場に今も残る唯一の塔本塑像として知られる国宝である。
東大寺法華堂で本尊・不空羂索観音の左右に立っていた奈良時代の塑像二体。日光・月光菩薩と伝わるが、装いや持物から梵天・帝釈天とする説もある。彩色の多くは剥落し、白い土肌があらわれる。現在は東大寺ミュージアムで常設展示。
奈良・東大寺が所蔵する国宝「銅造灌仏盤」は、直径約89.2センチにおよぶ天平期の大型青銅盤。花まつりで誕生釈迦仏像に甘茶を注ぐ器として作られ、天平勝宝4年(752年)の大仏開眼供養のため特別に造立された可能性も指摘される貴重な遺品です。
奈良・薬師寺に伝わる国宝の吉祥天像は、縦53センチほどの麻布に描かれた8世紀の彩色画。盛唐の影響を受けた天平美人の面影で知られ、宝珠を捧げる姿を繊細に表す。吉祥悔過会の本尊と推定され、正月の数日間などに限って公開される。
福井県美浜町の興道寺廃寺跡は、7世紀後半に若狭の有力氏族が建てた古代寺院の跡。継続発掘で金堂・塔・講堂・中門・南門の基壇が見つかり、創建から10世紀の廃絶までの伽藍の変遷が判明した。2018年に国史跡に指定。
奈良時代の重要文化財「長門国鋳銭遺物」の魅力を紹介。和同開珎の銭笵・坩堝・鞴口など、日本初の公式貨幣を生み出した長門鋳銭所の鋳造道具を通じて、古代日本の貨幣製造技術と国家形成の歴史に迫ります。
白鶴美術館が所蔵する国宝「賢愚経残巻(大聖武)」は、通常の写経より大きな一行十一〜十三字を荼毘紙に書写した奈良時代の写経。聖武天皇宸筆と伝わり、国宝の大聖武四件のうち分量と保存状態で随一とされる名品である。
六甲山麓の白鶴美術館が所蔵する国宝。大般涅槃経の注釈を集めた巻子本七十一巻で、唐代写本五十四巻に日本の補写十七巻が加わり、欠けなく完存する。平安・鎌倉の訓点は国語学の貴重な資料で、奈良の西大寺に伝来した。
本来十巻の護国経典『金光明最勝王経』を、一行二十七〜三十字の細字で二巻に書写した奈良時代中期の写経。巻一の朱訓点、巻四・九の墨訓点はいずれも比叡山系で、国語史の資料として注目される。附は竹帙一枚。国宝。高野山霊宝館で随時公開。