奈良
Nara奈良時代(710 – 794)の日本の文化財を一覧で閲覧できます。都道府県・種類・キーワードで絞り込み、詳しい解説や地図、旅行のヒントもご紹介します。
延暦寺が所蔵する国宝。唐の役所が留学僧・最澄に発給した八〇四年の明州牒と八〇五年の台州牒を一巻にまとめた通行許可書である。最澄が自ら記した申請部分はその真筆と認められ、九世紀初頭の唐代官文書としても、日本天台宗の原点を示す資料としても貴重。
滋賀県大津市の園城寺が所蔵する国宝。金剛界曼荼羅の諸尊を白描で描いた密教図像で、円珍が大中九年(八五五)に唐の長安で授かり請来した完本。全長は約十八メートルに及び、二〇二三年にはユネスコ「世界の記憶」にも登録された。
称名寺所有・神奈川県立金沢文庫保管の重要文化財「卜筮書巻第廿三断簡」をご紹介します。中世日本の学僧たちが書写し伝えた占術文献の断簡を通じて、金沢北条氏の菩提寺に花開いた学問の世界に触れてみませんか。
天平感宝元年(749年)、聖武天皇が十二大寺への寄進に際して発した勅書。冒頭の「勅」の一字は天皇の宸筆で、左大臣橘諸兄と右大臣藤原豊成が副署しています。なぜ静岡県牧之原市の平田寺に伝わったのか、経緯不明の謎を秘めた国宝です。
国宝・手鑑「翰墨城」は、奈良~室町時代の古筆切311葉を一帖に収めた古筆三大手鑑の一つ。古筆了仲の鑑定台帳として伝来し、藤原行成筆と認められる白氏文集切などを収める。熱海のMOA美術館で年に一度程度公開される。
静岡県立美術館が所蔵する重要文化財「山背国愛宕郡天平四年計帳残巻」は、天平四年(七三二)に現在の京都市北部にあたる山背国愛宕郡で作成された律令国家の年次徴税台帳の断簡です。現存五十九行を保ち、正倉院以外に伝わる計帳としては最もまとまった一巻として、奈良時代の社会と行政を伝える貴重な一次史料となっています。
大阪府藤井寺市・葛井寺の本尊、国宝乾漆千手観音坐像。合掌手と大手38本、小手1001本の計1041本の手を持つ日本唯一の真数千手の坐像で、掌には眼が描かれる。脱活乾漆造の天平彫刻を毎月18日のみ拝観できる。
国宝「青磁鳳凰耳花生〈銘万声〉」は南宋時代の龍泉窯で焼かれた砧青磁の最高峰。後西院が詩句「擣月千声又万声」から銘を授け、東福門院から毘沙門堂へと伝来した。高さ33.6cm、大阪府の和泉市久保惣記念美術館蔵。
大阪・道修町の杏雨書屋が所蔵する国宝・説文木部残巻は、後漢の許慎が著した中国最古の字書『説文解字』の木部を9世紀前半に書写した唐代写本。徐氏校訂以前の本文を残す第一級資料の価値と公開情報、真贋論争の経緯を解説する。
大阪・道修町の杏雨書屋が所蔵する国宝「宋刊本史記集解」は、司馬遷『史記』最古の注釈書を宋代の木版印刷で伝える11冊。内藤湖南旧蔵の恭仁山荘善本として知られ、北宋刊本の希少性と確かな伝来で名高い逸品です。
大阪・道修町の杏雨書屋に伝わる国宝、宋版毛詩正義17冊。紹興9年(1139年)刊のきわめて希少な単疏本で、各冊の金沢文庫の蔵書印が鎌倉武家の学問との縁を示す。原本の公開機会、影印本、薬の町道修町の歩き方も紹介する。
大阪・藤田美術館が所蔵する国宝・大般若経〈薬師寺経〉は、宝亀元年頃に官立写経所で書写された奈良時代写経の代表作。全600巻の過半数387巻が褐色表紙と白密陀の撥型軸という原装に近い姿で伝わる。見どころと訪問情報を紹介する。
大阪市立東洋陶磁美術館が所蔵する国宝「飛青磁花生」は、中国元時代の龍泉窯で焼かれた青磁の最高傑作です。玉壺春形の優美な姿に二十一の鉄斑が舞い、江戸時代の鴻池家から安宅コレクションへと伝わった伝来の重みも合わせ、世界に冠絶する一口として名高い名品をご紹介します。
南宋の宮廷画家・李迪が描いた国宝「帰牧図(騎牛)」。雪道を行く牛と牧童を色紙ほどの絹に精緻に表した双幅の名品で、奈良市の大和文華館が所蔵する。両幅に潜む隠し落款や、東山御物と伝わる伝来の歴史も見どころ。
大分市東部の城原台地に立地する飛鳥~奈良時代の官衙遺跡。7世紀末にはコの字形に並ぶ大型掘立柱建物群が築かれ、海部評の役所と考えられる。やがて機能は西の城原地区へ移った。古代地方官衙の成立と展開を知る重要な遺跡として2022年に国史跡に指定。
長野県飯田市座光寺の段丘に広がる恒川官衙遺跡は、7世紀後半から10世紀前半まで伊那郡を治めた郡衙の跡。正倉院の遺構や88個もの陶硯、恒川清水の祭祀具が、古代の地方統治の姿を今に残す。2014年に国史跡に指定された。
京都国立博物館が保管する国宝「漢書楊雄伝第五十七」は、現存唯一とされる唐時代の顔師古注本写本。欧陽詢風の書、皇帝の諱を避けた欠筆、天暦2年(948)の訓点が、日中をまたぐ千年余りの学問の歴史を映し出す。
京都国立博物館所蔵の世説新書巻第六残巻は、7世紀後半から8世紀前半に書写された世界最古の世説新書写本である。規箴・捷悟二篇172行を残し、紙背の密教儀軌や角筆・白点の訓点とともに1951年に国宝に指定された。
天平13年(741)7月15日、僧正玄昉が聖武天皇らの安寧を祈って書写させた一千巻のうち、唯一現存する国宝の経巻です。天平写経の優品で平安後期の訓点も残る、京都国立博物館守屋コレクションの白眉といえます。
京都国立博物館が所蔵する国宝の手鑑「藻塩草」。奈良から室町にいたる古筆切を二百四十一葉あまり収め、江戸時代の古筆鑑定の台帳として伝来した。高野切や室町切など貴重な断簡を一帖に見られる、書の歴史をたどる屈指の集成である。