国宝
National Treasures都道府県、時代、種類別に日本の国宝を閲覧できます。寺院、神社、城、美術館での見どころを分かりやすく解説し、地図や旅行のヒントもご紹介します。
国宝「刀〈無銘正宗(名物太郎作正宗)〉」は、鎌倉時代末期の名工・五郎入道正宗の作と認められる一振り。徳川家臣の水野太郎作正重所持に号を発し、徳川将軍家を経て寛永10年(1633年)に加賀前田家へ伝来、現在は前田育徳会が所蔵する。穏やかな湾れの刃文と深い地鉄が魅力で、金沢の石川県立美術館内・前田育徳会尊經閣文庫分館で随時公開される。
銘を欠きながら郷義弘の真作と極められた国宝の刀。富田左近から堀秀政を経て秀吉、前田利長へと伝わった名物で、本阿弥家が値をつけられなかった一振り。前田育徳会が所蔵し、特別展の機会に折々公開される稀代の名刀。
東京国立博物館が所蔵する国宝、片輪車蒔絵螺鈿手箱。鎌倉時代の作で、沃懸地に螺鈿で水に沈む牛車の輪を表す。量感に富む豊かな器形と整然とした文様には、平安の同名の国宝とは異なる時代の嗜好がよくうかがえる一品。
東京国立博物館が所蔵する平安時代十二世紀の国宝。流水に半ば沈んだ牛車の車輪を、金と青金の研出蒔絵に螺鈿を交えて全面に描く。内面には草花や飛鳥を散らし、経箱として造られた可能性も指摘される、希少な蒔絵螺鈿の名品。
延喜五年(905年)十月、大宰府の中心寺院・観世音寺の資産を記録した国宝の資財帳。堂塔・仏像・経典・寺領から住僧の数まで一点ずつ書き留め、早い時期の原本に近い貴重な三巻として東京藝術大学に残る古文書を紹介する。
東京国立博物館が所蔵する国宝。11世紀に書写された草稿の巻物で、889〜893年頃の宮廷歌合「寛平御時后宮歌合」を写す。墨の消し跡や未完の歌が随所に残り、編纂作業の現場が紙面にうかがえる。高野切につらなる格調高い仮名も見どころ。
観普賢経は法華三部経の結経にあたる平安十一世紀の写経で、根津美術館の国宝。濃淡の雁皮紙を交互に継いで金切箔を散らし、金泥界線中に温雅な和様の書を記す。対の無量義経と同筆で、別々に伝来し同館で再会した。
一枚の紙に太く力強い行書が走る国宝「破れ虚堂」。南宋の禅僧・虚堂智愚が80歳前後で日本僧に与えた法語で、武野紹鷗や松平不昧が所持し、寛永14年の惨事で切り裂かれた。茶席で最上格とされた一幅。東京国立博物館蔵。
梁の顧野王が編んだ字書『玉篇』全三十巻のうち巻第九。唐代八世紀の写本で、原本は中国で散逸し日本にのみ伝存する。紙背には治安元年の『金剛界私記』があり、遅くとも一〇二一年までの渡来を示す。早稲田大学蔵、国宝。
東京国立博物館の国宝・竜首水瓶。龍の頭が注ぎ口、細い胴が把手をなし、角を押せば片手で注げる。両眼にガラスを嵌め、胴には天馬を毛彫する。ペルシャの器形と東西の意匠が溶け合った、法隆寺献納宝物の名品です。
建仁元年(一二〇一)、後鳥羽上皇の熊野御幸に随行した藤原定家が日ごとに書きとめた自筆の道中記。輿の揺れや山越えへの不平が漢文で並ぶ国宝で、独特の定家様の筆跡と九か所での歌会の記述が読みどころ。三井記念美術館蔵。
泰定2年(1325)、元の禅匠・古林清茂が64歳で入元僧・別源円旨に与えた餞別の偈。三年の修行を認める文面は印可状に等しい重みを持つ。弘祥寺から織田信長を経て伝来した紙本墨書の国宝で、五島美術館が所蔵する。
唐の太宗が631年に編ませた全50巻の政治書。中国では散佚したが、平安中期に和様の彩箋へ書写された現存最古の13巻が九条家に伝来した。紫や縹の染紙に金泥の界線、典雅な楷書、乎古止点の書き入れが見どころの国宝。
江戸時代に讃岐国(現在の香川県)で見つかったと伝わる弥生時代の絵画銅鐸。表裏六区画にシカ狩りやイノシシ狩り、高床倉、臼をつく人々が線刻され、頭の丸と三角で男女を描き分ける。銅鐸として初めて国宝に指定された名品。
東京国立博物館が所蔵する国宝「碣石調幽蘭第五」は、現存する世界最古の古琴の楽譜です。唐時代に書写された4メートルを超える巻物には、1400年前の音楽が文字譜として刻まれています。
東京の前田育徳会が所蔵する国宝。一行十二字ほどの堂々たる大字で書写された奈良時代の写経で、料紙は遺灰説で知られる荼毘紙です。聖武天皇宸筆と伝わるが実際は写経生の筆とされ、巻子で残る希少な三巻に数えられます。
聖武天皇筆と伝わる奈良時代の写経、賢愚経残巻(大聖武)。東大寺旧蔵の名筆で、巻子のまま残る数少ない国宝の一つ。一行十二字ほどの大字を白い荼毘紙に記し、手鑑の巻頭を飾る名品とされた。東京国立博物館で数年に一度公開される。
天保8年(1837年)、渡辺崋山が古河藩家老で蘭学者の鷹見泉石を描いた肖像画。西洋の陰影法による写実的な顔貌と、東洋画の筆法による装束を一画面で融合させた崋山の代表作で、昭和26年に国宝へ指定された。東京国立博物館蔵。
全十二巻のうち本来の巻第七だけが、藤沢の本体を離れて東京国立博物館に伝わる国宝絵巻。時宗の開祖一遍の遊行を描き、近江の関寺から京都へ、市屋道場の踊念仏が絹本に活写される。正安元年(1299年)、法眼円伊筆。
画面わずか縦24.2cmの小品ながら、南宋画院の花鳥画の頂点を示す国宝。伝・李安忠筆で、枸杞のかたわらを歩む一羽を精緻に描く。足利義教の鑑蔵印を捺し、東山御物に列なる名品。根津美術館蔵、展示は不定期。