平安
Heian平安時代(794 – 1185)の日本の文化財を一覧で閲覧できます。都道府県・種類・キーワードで絞り込み、詳しい解説や地図、旅行のヒントもご紹介します。
国宝・古今和歌集巻第五(高野切本)は、日本最初の勅撰和歌集の現存最古の写本であり、仮名書道の最高傑作です。11世紀中頃に書写された秋歌下の巻は、源兼行の躍動感あふれる筆致で知られる第二種の書風を伝え、完存する高野切3巻のうちの貴重な1巻です。その歴史的意義、三種の書風の魅力、鑑賞スポットを詳しくご紹介します。
茎に「信房作」と三字を刻む重要文化財の太刀。尾張徳川家二代の光友が寄進した一口で、古備前とも一文字とも伝わり年代の見方が分かれる。現在は所在不明だが、致道博物館の国宝をはじめ近い作例を公開施設で見られる。
8〜9世紀に書写された日本書紀神代上巻断簡は、日本最古の正史『日本書紀』の現存最古級の写本のひとつです。古本系統に属し、訓点を伴わない純粋な漢文として、日本神話の根幹をなす天地開闢や国生みの物語を伝える重要文化財。歌人・国文学者の佐佐木信綱の旧蔵品としても知られる、東京の地に守り伝えられた稀少な一葉をご紹介します。
平安時代の最高権力者・藤原道長が自ら書写し、寛弘4年(1007年)に大和金峯山の山頂に埋納した紺紙金字法華経の残闕。東京国立博物館所蔵の本品は、日本最古級の経塚遺物であり、道長の信仰と平安貴族の末法思想を今に伝える重要文化財です。
南宋の禅僧・虚堂智愚の筆になる重要文化財の墨蹟。蠟を引いた料紙に書かれた点が指定名称に掲げられた特色である。大徳寺の法系の祖師として、虚堂の書は茶席の掛物の第一に重んじられた。昭和十四年に旧国宝へ指定。東京都内の個人蔵で常設公開はない。
近江御息所歌合は、醍醐天皇の更衣とされる近江御息所が催した和歌の歌合を記す巻子一巻である。左右に分かれて歌を競い、判者が勝負を定めた次第を留め、平安の宮廷文化と仮名の書を今に残す重要文化財として、昭和四十年に指定された。
奈良県の個人が所蔵する花鳥文磬は、平安時代に鋳造された青銅製の磬である。磬は法要で導師の脇に懸け、撞木で打って合図とする打楽器で、本品は中央の撞座の左右に花と鳥の意匠をほどこす。昭和28年に重要文化財に指定された一面である。
奈良国立博物館が保管する黒漆平文冠笥は、平安時代十二世紀の漆箱である。銀と金の薄板を漆地と同じ高さに収める平文で飾り、春日大社の神宝として大東家に伝わった。蓋は安政の地震で失われたが、平安漆工を知る貴重な遺品として残る。
法華経(久能寺経)は、鳥羽上皇と待賢門院璋子を中心に結縁書写された平安時代の装飾経4巻で、平成29年に国宝に指定された。平家納経を約四半世紀さかのぼる、まとまった装飾法華経の遺品として最古のものである。
福井県小浜市の若狭国一宮・若狭彦神社に伝来する大般若経は、平安時代初期に書写された全600巻が完存する、日本でも類例のない国指定重要文化財です。褐麻紙に熟練の写経生が謹厳に書写した本経は、千年以上にわたり神仏習合の伝統の中で守り伝えられてきました。
福島県須賀川市の須賀川市立博物館に収蔵される国指定重要文化財「岩代米山寺経塚出土品」をご紹介します。承安元年(一一七一年)の銘文を刻んだ陶製外筒や青銅製経筒、刀子・銅鏡・鍔・鉄鏃などからなる一括資料で、末法思想と弥勒下生信仰のもと営まれた平安時代末期の経塚信仰を今に伝える貴重な遺品です。
福島県の個人が所蔵する平安時代の直刀。反りのない刀身に、後の日本刀へ通じる中央の鎬をそなえる過渡的な作で、正倉院御物の同種とも比較されている。生ぶの茎を残し、平成元年に重要文化財へ指定された貴重な一口。
福島県の個人が所有する平安時代の重要文化財「大刀〈鎬造〉」。丸棟や茎尻の六角形の手抜緒孔など直刀の古式を残しつつ鎬造を備え、奈良の直刀から平安中期以降の日本刀へと移りゆく変遷の過程を示す貴重な一振り。非公開のため実見はできない。
福島市飯坂町の古刹・香積山天王寺の裏山から出土した平安時代末期の陶製経筒。1936年に国の重要文化財(考古資料)に指定されたこの一品は、末法思想に基づく埋経の信仰が東北地方にまで及んでいたことを示す貴重な遺宝です。奥州三名湯の一つ・飯坂温泉の歴史と合わせてご紹介します。
福島県立博物館に寄託される平安時代9世紀の木造吉祥天立像。個人所蔵の重要文化財で、奈良・興福寺と仏都会津を結んだ徳一菩薩の足跡を今に伝える、貴重な福徳の女神像です。
唐時代(7〜8世紀)に書写された『世説新語(世説新書)』巻第六の残巻で、中国を代表する説話集の現存最古の写本として国宝に指定されています。端正かつ典雅な楷書、平安時代の訓点、紙背の密教経典など、日中文化交流の歴史を物語る第一級の文化財です。
和歌山県那智勝浦町の青岸渡寺に伝わる金銅薄肉宝生如来坐像は、平安時代後期に作られ、大治5年(1130)に沙門行誉によって那智の山に埋納された立体曼荼羅の一構成像です。1918年に発掘され、1937年に重要文化財(考古資料)に指定されました。日本に他に類例のない金銅製の立体曼荼羅遺品として、また熊野信仰の盛んな時代を物語る貴重な遺物として注目されています。
愛知県蒲郡市に伝わる重要文化財「範永宅歌合・越中守頼家歌合」は、平安時代に開かれた二つの歌合の記録を一巻に収めた紙本墨書の貴重な古写本。『類聚歌合』二十巻本の一部をなし、平安貴族の和歌文化と地方歌壇の活動を今に伝える。
翰林学士詩集は、名古屋市の宝生院(大須観音)が所有する唐時代の詩集の写本で、国宝に指定されている。唐抄本で紙背に正広智三蔵表制集巻第五があり、大須文庫(真福寺本)の国宝の一つである。
名古屋市蓬左文庫が所蔵する重要文化財「宋版太平聖恵方(金沢文庫本)」は、北宋の太宗の勅命により王懐隠らが編纂した全100巻の医学百科の南宋刊本です。鎌倉幕府執権北条氏の金沢文庫から、豊臣秀次・徳川家康を経て尾張徳川家初代義直に伝わった本書は、現存24冊と慶長補写本27冊を併せ持ち、各巻首に「金沢文庫」墨印・「御本」朱印を留めます。世界的にも貴重な宋版書として、日中医学交流史を物語る一級史料です。