東京都の登録有形文化財
東京都 · 登録有形文化財
上野戦争で焼失した寛永寺の本堂を、明治十二年に川越の喜多院から移築して再建したのが現在の根本中堂。桁行七間の大型仏堂で、秘仏の薬師如来を祀り、鏡天井や尾垂木付の組物に天台本堂の風格が残る。
日本資本主義の父・渋沢栄一が、先妻千代の十七回忌にあわせ明治三十一年に建てたと伝わる霊堂。桁行四間半の宝形造で、内陣境の欄間彫刻や杉戸の彩色画に、小さな堂ながら丁寧な技が息づいている。
東京都台東区雷門に建つ国登録有形文化財「ギャラリー・エフ蔵」。慶応4年(1868年)に材木商・竹屋長四郎が建てた土蔵は、関東大震災と東京大空襲を生き延び、アートギャラリーとして再生。現在は深大寺への移築が進められています。
東京都品川区の文庫の森公園に佇む旧三井文庫第二書庫は、大正11年(1922年)竣工、令和2年に国登録有形文化財に指定された貴重な建築です。現存する日本最古級の壁式鉄筋コンクリート造で、三井家の史料を守るために最新工法と職人の技で建てられました。タイル風の外壁、市松模様の窓、関東大震災を耐え抜いた歴史を、緑あふれる公園とともに楽しめます。
明治17年頃に名主・池谷藤右衛門が建てた土蔵。昭和前期にモルタル洗い出しで石造風に改修された。置屋根と観音開きの防火戸、切妻に残る「山藤」の紋章、画家・吉岡堅二が構想し実現しなかったアトリエ改造計画を紹介する。
東京都東大和市清水。名主・池谷藤右衛門が明治中期に建てた四間取の大型農家を、日本画家・吉岡堅二が昭和19年から46年間住みながら改造した。35.5センチの大黒柱、土間を転用したアトリエ、年2回の公開について。
旧吉岡家住宅中門は、主屋西側の坪庭と前庭を仕切る庭塀に開く間口1.8メートルの門。もとは表門で、昭和37年の長屋門建設時に現在地へ移された。起り屋根の効果、坪庭との関係、腕木門か棟門かをめぐる資料の相違を扱う。
東大和市の旧吉岡家住宅長屋門は昭和37年の建築。東村山の棟梁が持っていた解体長屋門の部材で建てられた。8個の乳鋲、都電の敷石150枚、画家自筆の胡粉の表札、法隆寺金堂壁画の模写に使われた北側和室を訪ねる。
東京都青梅市の旧吉川英治邸(草思堂)主屋は、明治中期の養蚕民家を作家・吉川英治が昭和23年頃に自ら設計改修した住まい。三つの煙出しを残し、庭に開く続き間の座敷で『新・平家物語』が書かれたと伝わる。2023年登録の国登録有形文化財。
東京都青梅市の旧吉川英治邸(草思堂)土蔵は、弘化4年(1847年)建築で敷地最古の建物。棟札に「風門之倉庫」と記され、南東隅に建つ巽蔵である。掛子塗の観音扉や鉢巻を残す土蔵造2階建。2023年登録の国登録有形文化財。
東京都青梅市の旧吉川英治邸(草思堂)長屋門は、江戸末期の養蚕農家の表構え。袖部屋は戦時中に都市からの疎開者の住居となり、戦後は吉川英治が書庫や物置に用いた。出格子やつしの窓を残す。2023年登録の国登録有形文化財。
東京都青梅市の旧吉川英治邸(草思堂)洋館は、作家・吉川英治が書斎とした明治後期の離れ。寄棟桟瓦葺に軒のブラケットをめぐらし、瀬戸本業タイルのテラスや大谷石の基礎など各地の資材を集めて造られた。2023年登録の国登録有形文化財。
東京都中央区日本橋小網町に佇む喜代川店舗は、明治7年(1874年)創業の老舗うなぎ料理店の店舗建築です。関東大震災後の昭和2年(1927年)に建てられた数寄屋造りの木造2階建ての建物は、都心部で良質な伝統木造建築の姿を留める希少な存在として、2018年に国の登録有形文化財に登録されました。谷崎潤一郎や渡辺淳一など文豪にも愛された名店で、創業以来継ぎ足してきた秘伝のタレによる江戸前の鰻を、風情ある歴史的建造物の中で味わうことができます。
東京都港区三田に佇むキリスト友会フレンズセンターは、1922年にヴォーリズ建築事務所が設計した木造2階建ての宣教師館です。関東大震災以前の洋館として東京に現存する極めて稀な建築遺産であり、2005年に国の登録有形文化財に登録されました。寄棟造スレート葺の屋根や煉瓦煙突など、大正期の西洋住宅建築の特徴を今に伝えています。
昭和通りと晴海通りの交差点に位置する銀座大野屋店舗兼主屋は、1951年築の貴重な木造商業建築です。隅切り角地に合わせた五角形平面やショーウインドーなど、戦災直後の銀座の景観を伝える国登録有形文化財をご紹介します。
1934年竣工の銀座ライオンビルは、現存する日本最古のビヤホールを1階に擁する国登録有形文化財。菅原栄蔵設計による「豊穣と収穫」をテーマとした壮麗なガラスモザイク壁画やアールデコ装飾が、銀座の歴史と文化を今に伝えます。
東京都台東区上野に佇む黒沢ビル(旧小川眼科病院)は、昭和5年(1930年)竣工の登録有形文化財です。表現派風の外観と、日本初のステンドグラス作家・小川三知の最晩年の作品群が残る貴重な近代建築をご紹介します。
東京都杉並区荻窪に佇む幻戯山房は、角川書店創設者・俳人の角川源義の旧邸宅です。建築家・加倉井昭夫が設計した近代数寄屋造りの建物は、国登録有形文化財に登録されています。現在「すぎなみ詩歌館」として無料で一般公開され、展示室や茶室、四季折々の日本庭園を楽しめます。
東京都杉並区高円寺北にある小杉湯は、昭和八年(一九三三年)創業の現役銭湯です。唐破風と千鳥破風を備えた「東京型銭湯」の典型例として、令和二年に国の登録有形文化財に登録されました。名物のミルク風呂、地下九十メートルから汲み上げる掛け流しの水風呂、富士山のペンキ絵 ― 文化財の中で湯に浸かる、世界でも類のない体験を、数百円の入浴料でどなたでも味わうことができます。
東京都世田谷区上野毛にある五島美術館本館は、近代数寄屋建築の巨匠・吉田五十八が設計した昭和35年(1960)竣工の建造物です。鉄筋コンクリート造でありながら、平安朝貴族の住まいである寝殿造の意匠を取り入れ、大径の丸柱、蔀戸や御簾の建具、幅広の縁と深い軒による水平線の強調など、王朝風の佇まいを巧みに表現。平成29年に国の登録有形文化財に登録されました。国宝『源氏物語絵巻』を含む約5,000点のコレクションと、武蔵野の自然を残す広大な庭園もあわせてお楽しみいただけます。